第13話 身内には効かないポーカーフェイス
何事もなく、フレデリックちゃんとの進展もなく一週間が過ぎた。
自室で のんびり本を読んでいると我が妹が
学校から帰ってきたので一時 読書を中断を
して出迎える。わざわざ帰りを待つのも
日課となっていた。因みに せいかも
同じことをする。
今時 兄妹が仲良すぎるのは珍しいと思う。
お年頃の妹の言動にイライラするのが世の
兄妹の世界観。しかし僕らにはそんなの
無かった。昔からこんな感じである。
「たっだいま~!」
やけに明るい声のトーンで帰宅した妹
「おかえり、せいか。雰囲気が明るいね
何か良いことあったのか?」
「うん!そうなんだぁ。あのね 今日 例の
私のことが好きな男子居たじゃん?あいつが
告白してきたから盛大に振ってやったんだ。皆の前で!あははは!」
「…え?は?まじで?」
「まじだよ!これで嫌な思いしなくて済む
気持ち悪かったから良かったよぉ」
何が良いんだよ…皆の前で振るなよ
可哀相すぎだろ その子
「何か言われた?告白してきた男子に」
「ん~、人前で振られたのに全然気にして
なかったみたいでさ。寧ろ自虐的に皆と笑ってたよ?俺振られちゃったわぁって」
「oh…なんつーメンタル強者。軽く尊敬」
「でもその男子あんまり人気ないから
(やっぱりな)ってみんな思ってたらしいよ」
「へぇ…」
「そんなわけで機嫌がいいの!けどさ まだ
安心出来なくてね新たな悩みがあるんだ」
「恋多きお姫さまだこと。なんだい?」
そう聞くと せいかは僕を指差し睨み付けた
「おにいちゃんこそ!恋してるじゃない!
フレデリックさんに!いっつも来る度に
嬉しそうに話しかけてる!」
「あっぐぅ……」
そうきたか フレデリックちゃんかぁ
「私 モヤモヤするんだから!急に店に現れては おにいちゃんに接近してきてさ!何か
企んでるんじゃないの?あの人」
「いやいや、そんなわけ無いでしょ。マフィアさんの存在をお忘れで?フレデリックちゃんは上司だって言ってたけど絶対それ以上の関係だろ。じゃなきゃ四六時中 一緒に行動を共にしないぜ?」
「ぶぅ……そっか…マフィアさん居たね」
「うん、忘れないであげて。」
「あは。じゃあ 恋人同士なの?あの2人」
「解らない。聞こうにも失礼かなって」
「ふぅん。なら、もし恋人だったとしても
ショックをうけないんだね?」
それは困る。何が困ると言われても答えられないが、フレデリックちゃんに彼氏なんて
居たらショックで立ち直れないわ
「……いや、ショック受ける。何か嫌だ」
「はあ!?なにそれ!じゃあ好きってこと
じゃない!意味わかんない!もうおにいちゃんなんて知らない!」
そう罵声を浴びせると我が妹はスッタスッタと店内を横切り 上の階に行ってしまった。
「そんなにイヤデスカ…」
片言で ひとりぼやき 同じく上の階にあがる
(機嫌直してやらないとな、
明日ケーキでも買ってこよ)
機嫌直し計画を立てる。 店の外に例の男子が居るのも気づかずに歩き出す兄がいた。
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