第8話フレデリックの仕事内容 ②
「うふふっ…あははは!」
薄気味悪い笑い声が静まり返った町に響く
フレデリック・サイデリカは仕事を終え
片付けをしていた。いつもしている訳では
ないが たまにに片付けをする。
証拠隠滅とストレス発散
そのためだけに人を殺す
冷たい空気が頬を攻撃するが フレデリックには効かない。そんなのお構い無しか
ナイフを振り下ろす。
死体を残したら寧ろ証拠隠滅にはならないが
そんなのどうでも良い
仕事だから殺らないと…その一新で
過ちを犯している
何回刺しただろうか?我に返り目の前の
屍を見下す。見事にテクニカルヒットを連発し見るに耐えない現場になってしまった。
「………。」
無言で死体を見つめる
殺してる時は楽しいのだが、殺り終わった後
一気に感情が冷めてしまい 何でこんな面倒くさい事したんだろう?と自分に呆れるのが
殆どだった。
「永遠に眠らせて……」
疲れたし、その場に居座ってもあれなので
好きな花言葉を呟きながら静かに立ち去る
ことにした
____
{組織のルール}
・殺人をしてはいけない
・ターゲットや仲間に暴力を振るっては
いけない
・無理強い、圧力をかけてはいけない
フレデリックは
ボスの側近故に それらが許されていた。
勿論 世の中だけは許してくれないのだが。
しばらくすると野次馬や警察がやってきた
無事に死体を発見される
――
「ただいま帰りました」
夜中の1時を回り 遅めの帰宅となった
返事はない。
(疲れちゃって寝ているのかな?)
毎日 アジトに顔を出し皆と交流をしたり
任務を与えたり、時には叱りつけたりと色々
忙しいボスは帰宅すると お風呂に入り
さっさと寝てしまう。
(ちゃんと私の作るご飯は食べてくれるみたいだけど それでも心配だなぁ)
そう灯りのない廊下を歩きながら考える
ノックをするか迷ったが逆に起こしてしまう
と悪いので そっと開ける
ギィ……
ベッドには膨らみがあり 寝ているようだ
荷物を置きお風呂に入る準備をはじめる
髪をおろし 下着姿になる
すると後ろから人影が近づいてきた
「フレデリック…お帰り」
「ただいま ボス。起きてたんですか?」
「なかなか寝付けなくてな、階段を登る音が
したから 帰ってきたんだろうと思って」
「そうだったんですか、、」
「あぁ。…今日は殺してきたのか?」
「はい、よく分かりましたね。匂いですか?」
「それもだが フレデリックの頬が薄く色づいてるから楽しそうにしてきたんだなって」
目の前の鏡をみつめる
「あまり変わってないような?」
自分では気づかないけどボスには
お見通しらしい
「いんや、変わってる。滲み出てるもん」
そうフレデリックの顎を掴み自分の方へ
向かせる
「「………」」
お互い無言であった
しかしフレデリックの頬は更一段と赤くなる
「……キスを…してください」
上目遣いでおねだりをしてきた
素直で可愛い子だ
「んっ…」
唇が重なる
「ふぅっ……ありがとうございます」
「キスをしてお礼なんて 全くフレデリックは
面白い子だな」
「だって…存在理由が」
「そんなの確認しなくたって良いのに」
たまにネガティブ思考になるフレデリックは
更に自信の無い顔を浮かべる
「俺はフレデリックが必要だ。近くにいてもらわないと困る。最も優秀な人材を失ったら
組織は崩壊してしまうし、第一 俺の世話は
誰がするんだ?皆が出来ると思うか?」
見た目が怖いので新人は怯えるし、仲間だって変に気を使わせたりしているのでこんな
近くに居てくれる存在はフレデリックしか居ないのだ。
「……」
静かに、、
フレデリックの涙が滴り俺の指先を濡らす
「私 必要なんですか…?傍に居ても良いんですか?こんな役に立たない人間が この世に
存在しても……?」
「ああ、大丈夫だ。存在しててくれ。」
そう強く返すとフレデリックは嗚咽を漏らし
涙が枯れるまで泣きあかした
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