第7話 フレデリックの仕事内容


店番を終え 外は綺麗な夕焼けにより赤く

染まっていた


謎の美女の名前を聞き出せてから1週間_

そのフレデリックちゃんは全く顔を出さなくなり更にはマフィアさんも来なくなって

しまった


確かに本を買う以外 目的は無い筈なので

余程の読書家ではなければ通い続けることは

あまり出来ない。

いつも通りの生活に逆戻りになってしまった



倉本健がつまらなそうに自室に戻る頃

当の美女は仕事をしていた


それも懸命に真面目にお金を盗んでいた


__

フレデリックが所属する組織は悪い行いを

する所だった。組織名はHANA・20(ハナ・ニーゼロ)。ロケットの名前になってそうだがちゃんとした由来がある。というか

ダジャレだった。


ハナはそのまま読み、2はツー、0は英単語のOオー…ハナズオウ……ってことらしい。

分かりやすいのか分かりにくいのか…

とにかく意味不明だった。


そんな組織名を作ったのは意外にもボス。

ボス曰くハナズオウの花言葉は

「裏切りのもたらす死」 だそうで、その

づっしりとした日本語がお気に召されたようで遂には組織名にまでしてしまった。


因みにフレデリックの好きな花言葉は

「広大な自然の中で私を永遠に眠らせて」

何の花かは秘密らしい。


そしてフレデリックの仕事内容の説明だが 単に

ターゲットからお金を盗むだけである。


いつものやり方としては

ターゲットと知り合い仲良くなる→お酒を飲ませる為居酒屋やバーに連れ込む→そこで

うまい具合に財布の中から幾らか盗む。


お酒が飲めない人がターゲットの場合

その人の趣味に全力投球。例えば野球観戦が好きなら一緒に連れていって貰いターゲットが馬鹿騒ぎしている間やトイレに行った時に盗むのである。


見た目が既に完璧なので相手はコロッと

フレデリックに堕ちてしまう。


非常に騙しやすく余裕もある為 彼女は掛け持ちをしていて、今のところ1ヶ月に50人。

他の子より多い方で1日に2~3人の男性に

会わなければいけないのである。


調子が良い時は月に軽く100万円は収集でき

悪い時でも最低80万円は盗んでくる。


因みに他の子たちは月に50~60万円が限界だが、それを責めることなく次の仕事を与えてくれるのはボスの優しさであった。


やってることは悪いが組織内の関係は非常に良く、上下 平等に扱っており仲間外れなど

一切なかった。中々のホワイト企業だと

思う。仲間がミスをしたら代わりに自分が

やってくる…そんな暗黙のルールまで出来た

のだからそれを造りあげるボスは凄い人だ。



そう組織内のことを考えながら仕事を終えたフレデリック・サイデリカは満点の星空を背景に不適な笑みを浮かべながら夜道を歩いていた。



























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