第11話 番外編エピソード
窓から差し込む暖かい光りに起こされ
ゆっくりと脳を覚醒させるボス
スキンヘッドに厳つい顔、背も高くがっちりとした体格…例の少年に マフィアさんと
あだ名をつけられるのは何となく予感
していた
ウィリシア・レビィという女々しい名前が
ちゃんとあるのだが今さら名乗る気もない
「名乗りたくもないな、こんな名前…」
完全なる朝を出迎えてしまった為体を起こす
半分寝ながら自室を出てキッチンへ向かう
毎日コーヒーを淹れ 朝食を食べるのが日課となっていた。
「コーヒーから1日が始まる」
謎の自分ルールを作るのがボスの悪癖
そのせいで あんなダサすぎる組織名を世に
広めることになったのだが…仕方ない
気に入っちゃったんだから。
__
カップにお湯を2~3回に分けドリップ
コーヒーの良い香りがしてきた。今淹れたのはケニア産のコーヒー。さっぱりとしつつも 深みはあり、なおかつ苦味もなく非常に飲みやすい。色んな種類を試しているが これが
一番好きかもしれない。
じっくり味わい フランスパンを囓っていると電話がかかってきた。
主は組織内の中堅に値する男 小糠雨 しん
(こぬかあめ しん)
あまり目立つタイプではないがコンピューター荒しや監視カメラなどの乗っ取りを得意とするハッカーで組織内でも数少ない日本人である。いつもワックスを塗りたくり髪型を
キメている為 あだ名はとんがりコーン。
因みに初恋の相手はフレデリック。
「ボス~、フレデリックたそから頼まれてた
古本屋のハッキング出来ましたよ~」
明るい声がスマホの中から聴こえる
「相変わらずのテンションありがとう。
そして いつになく仕事早いなお前。フレデリックが絡んでるからか?」
「あざもちっすよ!可愛い可愛いフレデリックたそからの依頼!!早く終わらせ好感度を
あげるのが僕の役目です!」
そんなに気に入られたいのか…
「まぁ、速いのは良いことだ。 そういや店の様子は?どうせ お前も見てるんだろ?」
「にゃははっ!当然ですよ~。久しぶりの
特務が見知らぬ男を騙すなんて可哀想です!
僕が代わりにやりましょか!?」
「……いや、もうフレデリックに任せてるし
少年とも顔を合わせたからな」
「つらみ!」
「うん…そうだね。またなんかあったら頼むから そんながっかりしないで」
がっかりしてるとも思わない喋り方で相手を
翻弄というかうんざりさせる小糠雨。
はっきり言って苦手である。
「了解しました!では また!」
プツン___
突然かけてきて いきなり切るのは素直に
やめてほしい。中堅にとどませてるのは
これが理由で、普通に礼儀がなっていない。
「疲れた……」
朝からめんどくさい奴に絡まれテンション
駄々下がりにもなった所で朝食を再開した。
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