第3話 ボスとディナー


「例の男はどんなやつだった?」

そう唐突に話を始めたボス


外観は赤レンガを基調とした教会をモデルにした造りになっている家。広大な庭に野菜畑まである 他の家とは別格の建物が市の中心地区にででんと建っていた


日本で言う職場の上司と部下の関係

ボスとフレデリック・サイデリカが同棲という形にして そこに住んでいた。


「あぁ、本屋の少年ですか?丁寧に本の場所を教えてくださいました。見た目はごく普通の少年でした。くすっ…ボスが期待されているほどお金持ちのぼんぼんではありません」


そう淫靡に返した


「相変わらず妖艶な雰囲気を出すんだな君は」

「もう…いきなり何なんですか。話をそらさないでください、今は例の少年です。」


「そして仕事も真面目と…」

「なにまとめちゃってるんですか!そりゃ任務はきちんとこなすでしょう!」


ふてくされてる そこも可愛いげがあって

良い


「今余計な事考えませんでした?」

「…いや?べつに?」


謎のエスパーが発動した 怖い


「まぁ、いいです。兎に角 任務は無事に始められたのでご心配なく。何かご要望があれば

なんなりと仰って下さい」


「真面目だねぇ ほんとに。んっと…じゃあ

あぁ 違う違う。例の男の情報 何処まで

知ってる?把握って言ったほうががいいか。うん、どうかな?」


「はい、少年は古本屋の息子で 母親と妹と3人暮らしをしています。1階全体が本屋に

なっており 2階が自宅です。なお父親は幼い頃に亡くなられてます。」


「ふむ、そこまで知ってれば。…父親ね……」

「なんですか?」


そう苛立ちそうに言ったフレデリック

しまった この子には父親というキーワードはダメなんだ


「あ、いや。悪い…」

立場上 ボスが偉いのだが つい頭を下げる


強さもオーラも別物


フレデリック・サイデリカは組織の中で常に

一番であった。優秀な子達を成るべく揃える様にはしているが 誰も彼女には届かない


「ボス スープが冷めてしまいます」


思い耽っていると声が聞こえた

はっと目の前をやる

今はディナー中だったな


せっかく作ってくれたんだ大事に食べるか

フレデリックが作った豆腐ハンバーグと

半分冷めてしまった玉ねぎスープを静かに

頂くボスの姿が そこにはあった










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