第2話 厳つい人が来店されました

僕は古本屋の息子である。今日も店番を

頼まれカウンターに佇んでいる。

(昨日はめちゃくちゃ綺麗な人が来てくれた

しなぁ……どんな人が来店されても笑顔で

出迎えられる自身がある!)


そう呑気に入口をガン見していると___

チリンチリン

「あ、いらっしゃいま((


声が止まった。いや、だってこれ…

厳つい人が来店されるとは聞いていないよ!


「………。」


(うわぁ怖っ…怖すぎる)


髪型はスキンヘッド。服装は黒の革ジャンパーに黒のスキニーパンツ。ピアスがあちこちに開けてあり、完全にヤバいオーラを放って

いた。


(ニックネームはマフィアさん仮だな)

流石に盗まれるとまずいので少し警戒する


しかしマフィアさんは一向に盗みを働かず

ただ店内をうろちょろしていた


「何か探してんのかな……」

昨日は美女に声をかけたが今日はあまりと

いうか絶対に声をかけたくないタイプの人間


「お客さんはそこそこ居るからな」

ぼそりと言い訳を呟きカウンターを死守する

店員がここに居た


ずっとマフィアさんを見ている訳もいかず

きちんと仕事を再開する



あまり存在が気にならなくなってきた頃

ついにカウンターに来てしまった


「ぁ、い、いぃらっしゃいませ!」

声が裏返った

「……。はい、これ。お会計」

「は、はい!!2500円になります!」

「はいよ。」

「3000円で500円お返しです、

ありがとうございました!」


「ん、あんがとよ。……所で店員さん。

聞きたい事あってさ いいかい?」

「は、はい!!?何でしょうか!」


殺される!?

そんなアホな考えをした自分が怖い

人間て窮地に立たされるとこうなるんだな


「昨日 ここに全身黒コーデの茶髪の美女

来なかったかい?あまりにも顔立ちが良いから一目で分かる筈なんだけど」


絶句


「え、……あ、あぁ。え?来ましたよ?」


(何故 昨日の美女を知っているんだ!?

あ、まさか 実は お父様であの子は娘さん?

いや待てどうなんだ?顔は怖いけどお子さん

は綺麗ってパターンあるけど……)


そう思考を巡らせていると


「あれでも仕事仲間なんだよ、昨日 色々

お世話になったみたいでさ。丁寧に探している本の場所教えてくれたんだって?すげぇ

良い店員さんだと本人に聞いたからさ。お礼がてら来てみたわけ。ありがとな」


再び絶句

まさか そう言ってくださるとは思わなかった

やはり人は見た目では判断出来ないな…


「こちらこそ わざわざ来てくださってありがとうございます!!」


すごく嬉しかった 涙が出そうだ


「いやいや、本当にありがとな。次は一緒に連れてくるから また今度」


そう言って颯爽と出ていったマフィアさん


実はいいひとだった説 まじぱねぇ!


本当にこの店番をしてて良かった

そう気分よく仕事を終えた倉本健であった


















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