第17話 俺と魔王と勇者さん (10)
「あっ、あの~。少々よろしいでしょうか? 御二人に訊ねたいことが~?」
先程も少し言葉を漏らしたが、若い女性二人が顔に、大怪我をしているのか? していないのか? 頭鎧を被っているために確認が取れないでいる俺だよ。だからどうしようか? と、悩んだあげく、思いっきって女性二人に声をかけてみた。
すると二人から、「ん? なんじゃ~?」と、「はい、何でしょうか?」と、声が返ってきたのだよ。
だから俺は直ぐに、「あの、もしかして、御二人は、僕の車に跳ね飛ばされましたか?」と、二人の女性に恐る恐る訊ねてみたのだよ。
「……ん? 車とは何ですか?」
白い甲冑を着込んだ女性が、俺の質問に対して直ぐに言葉を返してくれたのだよ。
う~ん、でもね、白い甲冑を着衣した女性は、車とは何か? と、逆に俺に訊ねてくる。
だから俺は、彼女の質問に対して困惑をしたのだよ。
だって、どう彼女に、説明をしたら良いのか、俺自身もわからない……。
と、言うよりも。今この御時世……平成と呼ばれる時代に、自動車を知らない人などいるとは思わないから。何て彼女に説明をしたらいいのだろうか? と、俺自身困惑をしてしまう。
でも、悩んでも仕方がないし。余り時間の方が遅くなれば、病院が診療をしてくれなくなるかも知れないから、俺はこれ以上困惑をするのはやめて。白い甲冑を着衣した女性に。
「えぇ~と、貴方の目の前にある、この白い乗り物が、自動車なのですよ。もしかして貴方は、初めて自動車と言う乗り物を見たのですか?」
まあ、俺はこんな感じで訊ねてみたのだよ。
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