第14話 俺と魔王と勇者さん (7)

 まあ、ADさん達などの姿は、俺が辺りを見渡す限りでは確認の方はできないけれど、女性二人の容姿……。物もしい、いで立ちをしていらっしゃるから、普通に街中を歩くことなど不可能だと思うから。俺の目に映らない場所でそっと、撮影をしているのだと思う。


 う~ん、それにしても、俺の目の前で尻餅をついている御二人の女性のいで立ちなのだが、本当に凄いのだよ。


 だって御二人は揃って、中世のヨーロッパのような甲冑を着込んでいる。それも白と黒とで都合の良い具合に色も分かれているのだよ。その上、良く御二人が着込んでいる甲冑を凝視してみると──。甲冑には赤や金と銀との模様に、派手な宝石等が装飾として散りばめている大変に高価な甲冑にも見える。


 でも、まあ、テレビや映画等の撮影用ならば、これぐらい派手でも全然問題はないかも知れないと思う……。


 う~ん、それにしても、先程の衝撃と音……。一体俺は何と衝突をしたのだろうか?


 俺の目の前にいる女性二人と。我が家の車が仮に衝突をしているのならば。女性二人が無事であるはずはない。


 でも俺の目の前にいる甲冑を着込んだ女性二人は、只その場に座り込んで、『いた、たたた……』と、声を漏らしただけなのだよ。


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