第12話 俺と魔王と勇者さん (5)
「うっ、いた、たたた……」
「ッ……いたぁ~。痛い……」
俺が我が家のハイエースの前に出るとね、やはり人が二人いたのだよ。それもお二人とも、その場でしりもちをついている状態でね。声色からしても若い女性だと思われる。
と俺自身思うと、本当にどうしたらよいのか悩んでしまう。
だって、もしもだよ? 結婚前の若い女性ならば、俺が心から謝罪をしても許してもらえないかもしれない。それこそ御二人の顔に一生消えない傷でもできていたらどうしようか……。俺は直ぐにこんなことを思いながら再度二人の方へと視線を変えた──。
『……ん? あれ?』と、思わず声が漏れそうになった俺だよ。だってさ、俺が今、我が家の車で跳ね飛ばした御二人の女性の容姿なのだが……。男の俺が物申すと、女性御二人に対して大変に失礼になるかもしれないが。本当に変わった時代錯誤の容姿をしていらっしゃる人達だなと、俺は素直に思ってしまったよ。
だって俺の目から見ても、二人の女性達の物々しい姿は、もしかしたら、映画やドラマ、特撮ヒーロー番組の撮影? それとも、テレビ番組の生放送でのイタズラ番組などの撮影なのかも知れないと、俺は直ぐに思ったのだよ。
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