第7話 魔王と勇者 (4)

 でッ、その後は最後の悪あがきを決行──。上空を見上げ、見詰めると──。そのまま、儂自身の最後の魔力を、体の中心に集め振り絞り終えると、魔法詠唱を始め最大の奥義を使用した。


 すると儂の体は昇天したように神々しく光輝き始めだした。


 まあ、そんな儂の様子を見ていた勇者は、「……ん? 魔王、どうしたのですか?」と、訊ねてきたのだが。


 儂は勇者の呼びかけなど無視して更に絶叫を叫ぶ──。


「うゎあああん! 妾は絶対に死にたくない──。最後にあの人に会うまでは、絶対にいやぁあああっ! こうなれば仕方が無い──。勇者ぁあああっ! お前もあの世へと誘ってやる──」


 まあ、儂は、こんな感じで、断末魔にも似た奇声交じりの絶叫を勇者に叫んだ──。


「なっ、何を? まっ、魔王ぉおおおっ! えっ? あああっ!きゃあああっ!」

 魔王である儂と勇者は、この言葉を最後にこの世界から消えてなくなった。塵も残さずにこの世から……。



 ◇◇◇◇◇

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