第3話 前置き…… (3)

 まあ、確かにそうだよね。俺自身も三十歳を通り過ぎたアラサーだと、世間様から呼ばれる年齢だから、子供が一人ぐらいいても可笑しくはない年齢だからね。


 う~ん、でもさ、俺自身は、自営業で収入が安定しない職業だからお嫁さんのきてもないのだよ。本当に困った事に……。


 まあ、結婚相談所と言う物に、相談してみようと思案をしたこともあるのだよ。自身のスマートフォンを握りしめながら、電話またはメールを行い会員になろうかな? と、俺自身も思うところまではいくのだが。いざ土壇場になると、ついついと恥ずかしくて、二の足を踏んでしまうから、中々相談できないでいるのだ。


 だから俺自身、いつまでたっても独身貴族でいるはめになる。


 ああ、本当に辛い……。彼女も奥さんもいない独り身の生活は……。


 俺と同じぐらいの年齢の男性(ひと)達が、彼女や奥さん……子供などを連れて歩いて、楽しそうにしている姿を凝視すると、本当に羨ましくて仕方がない。


 ああ、俺のところにもお嫁さんがきてくれないかな。傍から俺のことを見ている皆さん達のようにね。それこそ、子供を連れの再婚を考えている女性でもいいのだよ。俺のことを優しく包んでくれるなら……。


 だって俺はこんなアラサー容姿だけれど、つい数年前までは、お袋と二人だけで生活をしていたから、少しばかりマザコンなのだよ。だから俺のことを愛情一杯に優しく包んでくれるなら、年上の女性でもいいのだが……。


 まあ、そんなことを俺は思案をしながら、我が家の車を運転──仕事が終わり隣の街まで買い物に行く途中なのだよ。


 でッ、そんな買い物の途中に、俺は何故かしら過去の記憶を走馬灯が回るように思い出してしまったという訳なのだ。


 う~ん、でも、まあ、俺は、余り気にもせずに運転をすることにする。車で事故でもしたら大変だからね。

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