第14話 異世界へ

一度休息を求めて家へ。ゆっくり休んで翌日、異世界へ。


自由な世界。大草原と海と山と森と。それを視界に収めながら、ウォールライト王国へ。


街は活気づいていた。西洋風の建物、露店、馬車、ローブを被ったいかにも魔法使いのような風貌、箒。


眺めているとヴォルグとステラが迎えにくる。城に迎えられて、玉座に座るイルナと話をする。


「よくきたな」


出迎えてくれた。そこにカーミラがひょっこり現れ、柱の陰からじっと覗いている。


「彼女は近づいて大丈夫なのか不安らしい」


歩み寄る純。カーミラは後ずさろうとするが、大丈夫だからと純はいう。カーミラは踏みとどまる。良い位置だったので、なでる。気持ちよさそう。


そこでなにか気づくカーミラ。


「トキ……トキが……ヘン」


その意味がわからず首をかしげる純。


「どうする? 街を案内するか?」

「いや、その……それよりやりたいことが」

「告白をどこでするか、だろ」


ヴォルグがにやにやと言ってくる。図星の純は言葉に詰まり、赤面。


「なら、あそこにいくといい」


案内してくれたのは、見晴らしのいい城の最上階。雰囲気最高。


そのとき、視界に映った高台。あそこは、おまえがきてたおれたところだと。


そのとき、はじめてみた風景に心を打たれたことを思い出す。あそこにすると決めた。


そこからは街を案内してもらって、半日経って、帰ることにした。


「奏多が引っ越すのは三日後だったか?」

「うん」


なので、前日くらいに来て、ここで告白しようと。


プレゼントも用意してある。


じゃあ、と別れて人間界に戻る。そこで、パトカーが何台も止まっていることに気づく。


警官が慌ただしく操作している。


なにか事件があったのかと、物騒だなとゆるくかまえていると、警官が純を見つけて目を丸くする。


「少年、発見しました。無事です!」


トランシーバーにそう無線入れて、警官は早足でやってきた。


「君、怪我は!?」

「え」


なにがなんだかわからず、言葉が出ない。


「君、三日もどこに行ってたんだ!!!!」


驚きの事実が付きつけられる。



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