3話 不安
「おはよう、麗奈」
「おはよう、お兄ちゃん」
昨日は、高水の事が気になって寝られなかった。
「お兄ちゃん、クマすごいよ。大丈夫?」
「大丈夫だ、ほら朝飯の準備手伝って。」
「わかった」
実際、寝てないから眠たいし、今すぐにでもベットに入って寝てしまいたい。だが、学校もあるし、家の事もあるから寝ている暇なんてない。
「じゃあ、俺、学校行ってくるから戸締まりよろしくな」
「わかった、行ってらっしゃい。ホントに大丈夫かな?」
かなり眠たいが、学校に到着した。
授業もしっかりと受けられているし、この調子だど大丈夫だろう。
放課後。
「よし、部活に出るか」
部室に行くと、高水が既にいた。
「よう、高水」
「結城くん、昨日はかなり理不尽な理由で帰してしまってごめんなさい」
「いいよ、気にするな」
あれ、なんでだろう。昨日までイライラしていたのに。
「今日の活動だけれど、体育祭のセッティングをするからジャージに着替えて、グラウンドに行ってくれる?」
「わかったよ」
すぐにジャージに着替えて外に出て、準備を手伝った。結構な仕事量で気が付くともう外は暗くなっていた。
制服に着替えて、部室に報告に戻った。
「手伝いは終わったぞ」
「お疲れ様。今日はもう帰ってもいいわよ」
「そうさせてもらうわ」
と、帰ろうとしたそのとき、視界が一気に低くなり、意識も遠退いていた。バタン❗
「結城くん?」
「!!」
「結城くん❗結城くん‼️」
目が覚めるとそこは保健室だった。
横には、高水が寝ていた。そうか、看病してくれたのか。
「ん、結城くん目が覚めたのね。」
「おう、お陰さまで。今何時だ?」
「夜の7時」
「もうそんな時間か、早く帰らないと。」
「ダメよ!先生は、2時間は安静にしなさいとの事。原因は寝不足と過労」
「じゃあ、先に帰っててもいいのに」
「あなたを一人にしたら、また無茶して倒れるでしょ」
「別に俺が倒れたって、お前には、関係のないことだろ」
「関係なくはない。部長だしね、あと、あなたを放っておけない。」
「あなたが好きになったから、好きな人が目の前で倒れて、放っておくわけないでしょう」
「私と、つ、付き合って」
「言われたか、俺も好きだった。お前との会話をしているうちに自然となっていた。」
「どうだ、今日、うちに来ないか?」
「ううん、今日は、もう遅いから。明日、お邪魔してもいい?」
「あぁ、いいよ」
そんな話をしていたらあっという間に9時になっていた。
「送っていくよ。何かあったら大変だから」
「わかった。」
学校を出ると、周りの音はしなく、ふたりの足音だけが響く。
そうして、高水の家近くまでついた。
「ここまででいいわ」
「おう、それじゃあ、また明日。」
家に帰り、ベットに入り、明日にならないかと学校に行きたいと思った。
高水宅
「ただいま~」
「お帰り、ちょっとこっちに来なさい。大事な話があるの」
「なに?」
………
「私は行かないから絶対に」
「待ちなさい」
優香は、自分の部屋に籠ってしまった。
「嫌だ、やだよ。正樹」
震えた声で、泣いていると外は、日が昇っていた。
体育祭まであと2日。
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