『太陽』
日々、毒性のある液体を摂取して、幻覚の見える合法の気体を吸い、生きるために最低限必要な間取りの小さなカプセルに暮らしている。金もなく、買い置きもなく、資産もないくせに、日々の労働で得る少ないチップで生活はなんとかなっている。恐らくこのまま、生命活動が終わるまでは生きていけるだろうという計算も出来る。なのにどうしてこんなに切ないのだろう。
娯楽は他人の活動だ。他人が
小さい頃はそうではなかった。僕はきっと、夢に
再生装置に眼鏡は必要ない。楽な姿勢で、楽な状態で、思考を殺して向き合っていれば時は過ぎていく。失うものは何もないと、思い込むことが出来る。ちょっと考えれば、
阿呆は、阿呆と絡む。阿呆は、阿呆とだけ遊ぶ。阿呆たちは、この世界を
太陽が一枚、カプセルの中にある。
同じ時代に生まれ、同じエリアで育ったはずの生命が生み出した太陽だ。それはつまり、文章や、漫画や、動画や、遊戯に似ているものだ。太陽は、僕のカプセルの中で輝きを放ち、僕をたまに正気に戻してくれる。この太陽が発する光は、夢や希望が放つ光とは異なっていた。
僕はそう、抜け殻だ。自分以外の何者であれ
僕は太陽を見つめる。僕を熱する太陽は、僕から毒素を抜いてもくれない。目を覚ましてもくれない。ここにあるのは、ただ熱い、現実の温度だけだ。
あの太陽の先に
熱くて辛くて
それでも君は、まだ夜を待つのか。
同じように、君もまた太陽を作れるのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます