研究室編
第3話 研究室。
私が入った技術研究所 総合研究室は今まで様々な艦艇、航空機、車両を設計してきた。
その中でも有名なのは「しょうかく」型大型攻撃空母のネームシップ、「しょうかく」だろう。
大きな船体に比例する大きさのアングルド・デッキ。
確かF/A-56Gを108機積めるんだっけか?まあそれくらいだったはずだ。
ちなみに俺が担当するのは艦艇の設計と、それに積む装備の開発。
周りからは艦艇関係研究官と呼ばれている。
今までいた研究官が定年を迎えて退職したところに俺が来たからちょうど入れたらしい。
今年入室?したのは俺以外に、神野悠馬(かみの はるま)、只野遼(ただの りょう)、阿部遥(あべ はるか)の3人いる。
悠馬は総合砲弾研究補佐官、遼は高性能レーダー・ソナー研究補佐官、遥は車両関係研究補佐官となった。
ここで疑問に思うのは、何故俺だけがこんな大役を務めることになったのか、だ。
他の3人に聞くと、
「嫌味か?お前。」
と悠馬。
「ほんと乙だよね。」
と遼。
「そうゆうこともあるよね。」
と遥。
・・・みんな哀れな目で見てくる。
しかしここに配属されるということは出世する可能性が高いということだ。(と、勝手に思っている。)
妻の為に、将来の為に、ここは頑張るしかない。
・・・。さきほどから誰かの目線を柊は感じていた。
それが何分続いてからだろうか。
ムクっと室長が立ち上がり柊のいる方ににスタスタ近寄っていく。
そこで先程までの目線を感じなくなる。
そして室長は柊のデスクの前でピタッと止まり、キリッとした目で柊に向く。
「なあなあ、柊君に嬉しいニュースがあるんだけど・・・。今いいかな?」
加藤宏(かとう ひろし)室長が俺を呼ぶ。なんだ。さっきっからの目線は室長のだったか。
「はい、今行きます。」
何となく返事をする。今、俺は研究予算の変更要請書をパソコンで作っていた。
あと5分あればコピーするだけまで作れたのにっ、あと10分で休憩出来たのにっ、この定年野郎!(定年まであと3年だが。)と考えていたが、嬉しいニュースらしいので諦めて室長の方へ向かう。
「室長、嬉しいニュースとは何ですか?」
「ちょっと待っててね。」
と言うとコピー機の方へ室長は歩きだし、謎の紙を5枚持ってきた。
「今から渡す紙と話したことは誰にも言っては行けない。たとえ家族だったとしても。いいね。」
歳をとると獲得出来ると言う謎のプレッシャーのせいだろうか。急に怖い話になってきた。何か極秘の話なんかな?と、少し戸惑ったが、持ち前の性格で柊は気にしないことにした。
「なんと、なんとなんと、柊君に8000t級の攻撃イージス艦を作って貰うことになりました!!」
「ほっ、本当ですか!?」
初仕事がこんなに大きくていいのか!柊は右手で小さくグッとガッツポーズをする。
剣道をしていた頃、試合中にガッツポーズをしたら反則だから、そんなことは絶対にしない!と思っていたから今までしたことはなかった。だが、今になると勝手に出てしまう。
「あとは書類に書いてあるからそれ見て、わかんないことあったら何でも聞いてね。」
「了解しました!」
よっしゃよっしゃ!でかいでっかいはつしごと♪と柊は呑気に歌う。
他の研究官は同じ気持ちを経験したことがあるので
「「「気持ちは分かるけどうるせぇ」」」
と心の中で言うが、柊はそんなこと露知らず、フンフン歌い続ける。すると悠馬が近寄ってきた。
「おい、柊。うるせぇんだよ。もっと静かに出来ねぇのか?」
「おお、ごめんごめん。あまりに嬉しすぎて自分を見失っていたよ。」
「お前今頃船作る仕事貰ったのか?」
「今頃ってなんだよ」
「俺なんてもう新型の砲弾を2つ作ったぞ」
「は?お前補佐官だから作れねえだろ」
「知らねぇの?研究官今育休で居ないから俺がやってんだよ」
「なっ、ざけんなてめぇ!!」
「お前がうるさかったからだろーが!!」
そう言った所で、研究室にいた全員が
「「「お前らうるせぇ!」」」
という気持ちと共に目線を送る。やっと気づいたのかすいませんでしたぁ。と軽く謝罪し、2人は自分の席に着く。
┄┄解説及びあとがき┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄
F/A-56G
大きさと見た目はF-22とほぼ同じだが、対艦ミサイルを8つ積めるという特性を持つ。
「しょうかく」型攻撃大型空母
ミニッツ級のような形をしているが、環境を考慮し、ディーゼル・モーター駆動。
相手の攻撃を無効化するように、新型ECMやCIWS、VLSを搭載。また、ある程度の攻撃には耐えられる。姉妹艦は2番艦の「ずいかく」3番艦の「りゅうかく」
書けました。疲れました。腰痛いです。どうすれば腰の痛みが抜けるのでしょうか。そんなことは置いといて。早く「きい」編を書きたいです。なので少しスピードアップを使用か検討中です。
今作も読んで頂きありがとうございました!
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