第34話 お金稼ぎ

 ユウヤは宿に帰ると、レティシアの部屋の扉を叩いた。


「レティシアいるか?」


 少しすると、レティシアが扉を開けて出てきた。


「おかえり、意外と遅かったけど何してたの?」

「少し町であった奴と話してたんだ。それより、朝食は食べたか?」

「まだよ。じゃあ、食堂に行こうか」

「分かったわ」


 ユウヤ達は宿の一階にある食堂に移動すると、席に座り料理を注文して料理が来るのを待った。


「そういえば、話してたって言っていたけど、知り合いでもいたの?」

「いや、初めて会った奴だよ。まあ、次に会う機会があるかはわからんがな」

「ふーん」


 レティシアは何か疑うような目で見てきたが、食堂の人が料理を持って来たので食べ始めた。

 料理を食べていると、レティシアが何かを思い出したように話しかけてきた。


「そういえば、少しの間この町に滞在してお金を稼がない?」

「別にいいけど、どうしてだ?」

「残りのお金が少なくなってきたから、それにここくらい大きい町なら私が読んだことない魔導書もあると思うから出来れば読んでいきたいのよ」

「なるほど、分かった。じゃあ、朝食を食べたら冒険者ギルドに行くか」

「分かったわ」


 ユウヤ達は朝食を食べ終わると、宿を出てギルドに向かって移動を始めた。

 前日、マユリが歌っていた広場に着くと、レティシアがステージの方を見て話しかけてきた。


「今日は歌ってないのね、歌姫」

「毎日は歌ってはいないだろ」

「それもそうね」


 レティシアがステージから目を話すと、二人は冒険者ギルドに向かって移動を再開した。

 冒険者ギルドに着くと依頼書が大量に張ってある掲示板の前に移動して依頼を探した。


「さて、どの依頼を受ける?」

「Aランクの依頼でいいのある?」

「いい依頼か」


 二人はAランクの依頼を見ながらいい条件のものを探していると、一つの依頼を見つけた。


「これなんてどうだ?」


 ユウヤが一枚の依頼書を指さしながらレティシアに話しかけた。


「近くの山で見つかったオーガの群れの討伐、数はおよそ五十体か」

「ああ、場所も近いし報酬も高いからちょうどいいだろ」

「そうね。けど、あまり周りの環境を破壊しないで欲しいらしいから広範囲の魔法は使えないわね」

「まあ、俺が近接戦で出来るだけ減らすから、遠距離からサポートしてくれ」

「いや、ちょっと試したいこともあるから、私も近接で戦うわ」

「別に構わないが、大丈夫か?」

「小さいころからユウヤ相手に剣の修行してたからね。それなりには戦えるわ」

「まあ、無理はするなよ」

「分かってる」


 二人は依頼を決めると、依頼書を掲示板から外して受け付けに移動した。


「この依頼をお願いします」

「Aランクの依頼ですねか。冒険者カードを確認してもよろしいですか?」

「分かりました」


 受付嬢に言われて二人は冒険者カードを受付嬢に渡した。

 冒険者カードを受け取った受付嬢は、カードを見て驚くと二人を特にユウヤを見て何か考えるような顔をした後、カードを二人に返した。


「ありがとうございました。ランクに問題はなかったので、依頼の受領を認めます」

「ありがとうございます」


 依頼を受けた二人は、冒険者ギルドを出て町の外に出た。

 二人は門番に依頼書に書かれている山を教えてもらい、山に向かって移動を始めた。

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