少年と彼

尨犬 蓮

少年

とある場所にある少年がいました。


その少年はとても怖がりで、特に「失う」ことを恐れていました


ある日、街に行くことになった少年は、そこで多くの人に出会いました


ですが、少年は自分を常に隠し、本当の自分を見せないようにしていました


幾ばくかの年月が過ぎ、彼は多くの友達に恵まれました


しかし、彼は幼い頃以外は、自分を出さなかったが故に、


少年と友達となったのはほんの数人でした


ほとんどの友達は少年を見たことのない、形だけの存在でした


ですが形だけであろうと友達を失いたくない彼は少年を隠し続けました


そんなことをされ、少年はストレスが溜まっていきました


いつしか、少年は彼に対し復讐心を抱き、彼を傷つけていきました


それが続き、少年の復讐心は彼の考え方を歪めてしまいました


少年は彼を傷つけるために、彼は欲を満たすために刃物を手に取っていました


そんなある日、彼はある少女に出会いました


彼と少女は日が経つごとに仲良くなっていきました


しかし、彼は少女が彼女だったらいいのに、と考えるようになりました


ですが、彼は少年であり、少年は彼


彼は少女を失うことを恐れ、「好き」の二文字を伝えることが出来ませんでした


いつしか、彼は少女の前では少年になりました


少年は生きる目的を得、彼は彼自身でいることの出来る場所を見つけました


ある二文字を言えば永遠になるかもしれない場所を……

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少年と彼 尨犬 蓮 @mukuinu_ren

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