第5話初めての月曜日
朝起きると部屋に玲様がいた。あ、忘れてた。今日は玲様の初出勤日だ。
「ヤヨイ様おはよう!じゃなくて弥生様、おはようございます。」
何か、違和感しかないんだけど。
「玲様、無理、しなくていいんですよ?」
「してない。です!それに紫藤ってお呼びください」
してるのがバレバレ。玲様の事を紫藤って呼べるわけなくない?
「玲様、それは命令ですか。」
「違うよ。お願い。」
なんやこれ。しょうがないなあ。
「わかったわ。これからよろしくね、紫藤。」
こうすればいいの?朝から疲れるんだけど。ま、いいや。使用人にはもうやってもらう事ないし。
「もういいよ。ありがとう。」
「はーい。」
すると突然大声が聞こえた。
「何なのだ今の言葉遣いは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
声の主は杉野だった。杉野は紫藤にずんずんと近づき、平手打ちをした。え、そこまでする?
「杉野、やりすぎよ。玲様にも少し時間が必要よ。」
「お言葉ですがお嬢様は甘すぎます。最初から100%やってこその使用人です。ですから・・・」
「はいはい、私が悪うござんした。わかったって。」
杉野は荒い鼻息をたてながら去っていった。ったく、これから毎週月曜日がピリピリするんだけど。
「俺のせいでごめんね?弥生様。」
「別に私は、、、。でも杉野の前では気を付けてくださいよ。」
「わかってるって。」
「何度言ったらわかるのだ!!!!!!!!!!!!!!!!小僧!」
こ、小僧?
「ひゃーーーーー!ごめんなさーい。」
鬼ごっこが始まった。もういいや、朝ごはん食べよう。食パンをトーストにし、スクランブルエッグを挟んで私の朝ご飯が完成した。あ、当たり前だけど全部私が作ったものだよ。うん、おいしい。相変わらずダイニングテーブルの周りでは鬼ごっこが繰り広げているんだけど。すぐに私は朝食を終えて、学校に行く準備をした。私の学校には制服というものがない。適当に自分が持っている服を選んできている。今日はどうしよっかなー。ってえ?服がないんだけど。私の服はどこに行ったわけ?まさか、まさかね。
「杉野ー!紫藤ー!私の服知らない?」
「弥生様ごっめーん!全部一気に洗っちゃった。」
はあ。だと思った。まあ2つずつしか持ってない私の悪いんだけどさ。
「今日は新しい服買っていくしかないのかなあ。」
最悪。私は服を欲しいと思ったことがないからできるだけ服にお金を使いたくないんだけどなあ。濡れてるのは来たくないし、しょうがないこういうことも承知で雇ったんだから。
「お嬢様、ご安心ください。華聯に着せる用に買ってあった服があります。」
用意周到すぎじゃね?ま、いっか。
「ありがとう!本当に華聯と杉野に感謝してる!」
「いえ。使用人はお嬢様のためにいますから。」
今日はとても疲れる1日となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます