第9話 教典や伝説に隠された古代の記憶
ー自然の驚異と災害の記憶ー
世界中の教典や伝説の中に登場する災害。
神によって裁かれる人類。
一夜にして消えていく文明。
想像で書かれたにしては、あまりにも詳しい描写。
ノアの箱舟伝説。
ソドムとゴモラ。
エルドラド。
私たちの祖先が見たかもしれない記憶。
そこから書き記された可能性はないでしょうか?
地球では、人類が滅びるほどの災害が何度も繰り返されてきました。
幾度となく大陸を飲み込んだ巨大な津波の痕跡。
地中海で発見された、島の半分が吹き飛ぶほどの噴火の痕跡。
ジャングルに埋もれ、木々の成長とともに破壊されていく建築物。
古代の人々の記憶とも受け取れる記述。
そんな教典や伝説に隠された記憶の痕跡を探してみたいと思います。
「教典に残る自然災害の痕跡」
自然災害の痕跡とも受け取れる有名な記述。
ノアの箱舟伝説。
旧約聖書「創世記」に書かれているので、ご存知の方も多いと思います。
以前の動画では、
地球以外の惑星の出来事だった可能性を紹介していますが、
今回は、地球に限定してみたいと思います。
堕落した人類を滅ぼすため、神は大洪水を起こすことにしました。
神は、自分を信じていたノアとその家族にチャンスを与えます。
方舟を作り、動物達と家族を乗せて避難するように忠告したのです。
ノアの方舟が完成し、全ての生き物が乗り込むと大洪水が起こりました。
そして、水が引くと箱舟はアララト山の頂きにたどり着いたのです。
この伝説と似た記述が他にも残されています。
古代シュメールの粘土版とギルガメシュ叙事詩。
イスラムの聖典(クルアーン)です。
まったく違う文明に残されている洪水の記録。
近年、黒海沿岸の地質調査で発見された災害の痕跡があります。
紀元前5600年頃、気温の上昇とともに氷河が解け始めました。
氷河が解けたことによる海面の上昇。
ほぼ同時期に起こった巨大火山の噴火。
そして、黒海沿岸を飲み込むほどの巨大津波が発生した痕跡です。
このときに、脱出出来た人々が語り継いだ記憶。
それが、大洪水伝説に結びついたというのです。
その証拠として、津波や河川の氾濫を経験したことのない人々の間では、
洪水伝説などの言い伝えがないと言われています。
ノアの箱舟伝説は、大洪水を経験した人々が残した記憶。
災害を経験した人々が語り継いだ記憶だったのではないでしょうか?
旧約聖書とイスラムの聖典に共通する滅ぼされた街。。
ソドムとゴモラ。
今の死海近辺にあったとされる都市です。
悪徳の限りを尽くし、一夜にして神に滅ぼされた伝説の都市。
唯一生き残ったのは、やはり神を信じるロトの家族でした。
ソドムとゴモラのモデルになったと言われる街。
それは、紀元前89年に火山の噴火によって滅びたポンペイです。
しかし、近年の研究によってもう1つの可能性が出てきました。
古代シュメール人の残した粘土板。
そこに記されていた記述です。
「紀元前3123年、アピンが落下した。」
アピンとは、アテン群小惑星の1つと言われています。
この小惑星がアルプス山脈上空で爆発。
空中分解しながら地中海一帯に破片をまき散らしたのです。
その痕跡が、アルプスの地中から発見されています。
災害から逃げられた人々は、神様に感謝したことでしょう。
それこそが、教典に残された理由だったのでしょうか。
「人々によって作られた伝説の都市」
夢とロマンが作り出したと言われる伝説の都市。
そこには、支配される側だった人々の思いが残されています。
新約聖書やガリバー旅行記で有名なラピュータ。
日本近海に浮かぶ島、バルニバービを支配している空中都市です。
ここに住むには、難しい事ばかり考えている科学者。
物を作らず考えるだけ。
必要な食料や生活用品をバルニバービから奪っていきます。
この空中都市は、海に浮かぶ都市の蜃気楼ではないかと言われています。
イギリスのオークニー諸島や世界中で見られる現象です。
蜃気楼を知らなかった人々は、
海に浮かぶ都市を、真珠や水晶で出来た都市と信じました。
それが、空中都市ラピュータとなっていったと言われています。
同じような空中都市で、マゴニアの伝説があります。
こちらは、テンペスタリと呼ばれる妖術師が住んでいると言われています。
船の形をした空中都市で、
天候を操り雷雲や暴風雨を起こすと言い伝えられています。
このことから、積乱雲や船の蜃気楼から作り出されたと思われます。
災害を起こし、命の糧を奪い去る自然への恐怖。
支配される人々は、奪われていくことに慣れていく。
そんな人々の思いが込められているように感じます。
そして、エルドラド。
南米の密林に眠る黄金都市の伝説です。
大航海時代の征服者たちは、黄金都市を求めて南米にやって来ました。
そして、原住民を拷問して場所を聞き出そうとしたのです。
次第に原住民からエルドラドの伝説が語られ始めました。
そして、征服者たちはエルドラドを求めて密林に入っていったのです。
毒蛇やピューマ、毒虫や病気になり命を落とすことになるとも知らずに。
エルドラドは実在したのでしょうか?
エルドラドの語源は、元々「金箔を塗った男」という意味でした。
南米コロンビアのチブチャ族の儀式。
族長が全身に金箔を塗り、湖の中央に金銀財宝を投げ入れます。
そして、自分も飛び込むのです。
この族長が、現地の言葉で「エル・ドラード」と呼ばれているのです。
これを聞いた征服者たちは「黄金の都」と思い込んだ。と言われています。
そして、思い込みから原住民は拷問され命を奪われていく。
拷問から逃げるためだったのか。
危険な場所へ誘い込み自滅を狙ったのか。
原住民は「エルドラド」を作り出し、征服者たちは密林に消えていく。
伝説には元になった記憶があったのではないでしょうか?
ムー大陸もレムリア大陸も、遠い昔の記憶の一部だったのかもしれません。
夢とロマンを詰め込んだ伝説の大陸や伝説の都市。
教え導く教典に隠された記憶。
語り継がれるうちに、
真実は消え伝説の一部となってしまったのかもしれません。
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