第4話 笑う花~カルミア~

なんとか涙をぬぐって、平気なフリをする。

そこへ教科担当の先生がやって来て今さっきまで話してたクラスメート達が席につく。

すると、白石さんは私に

「あのね、まだ教科書が届いてないから見せてくれないかな?」

「いいよ。」

そういって机をくっつける。

授業が始まり、いつも通りノートをとって、先生に当てられた問題を解く。

「じゃあ、次は…白石、解いてみろ」

「は、はい…えっと…」

転校してきたばっかりの人を当てるなんて、白石さん明らかに困ってる。

ノートに答えを書いて白石さんに見せる。

少し驚いたような顔をした白石さん。

「えっと、x=43です!」

「よし、正解だ」

白石さんはホッとしたように席につく。

「桜井さんありがとう」

そう、小声でいう白石さん。

私は少し嬉しかった。



「桜井さんって字がとってもキレイだよね」

授業が終わってから白石さんにそう言われた。

「えっ、そうかな」

自分の字なんて意識したことはなかった。

「そうだよ!まるで先生が書く字みたい!」

そういって笑顔になる白石さんを見て嬉しくなる。

「あっ!笑った!」

「えっ…」

笑った?私が‥?今まで笑うことなんかなかったのに。

「桜井さんの笑顔すごく可愛いね!」

そんなことを言われて少し恥ずかしい気持ちになる。

「うん、ありがとう///」



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