第3話 優しい花~マリーゴールド~
「席はー…桜井の隣が空いてるな。白石、桜井隣に座ってくれ」
「はい」
そういって白石さんが私の方へ近づいてくる。
少し動いただけでキレイになびく白い髪。
こんなキレイな人が汚れている私の隣に来るなんて…
「よろしくね!」
そう言って私に笑いかけてくれた。
「よろしく。」
私はただ素っ気ない返事をするだけだった。
ホームルームが終わって、クラスの人たちにが白石さんの周りに集まってくる。質問攻めにされてる白石さんを横目に私は一時間目の予習をしていると
「白石さんどうしたの?」
「あ、いや…」
「あー…あの子いつもあぁやって勉強してるんだよ」
そう言うクラスメイトのあざ笑う声が聞こえてくる。
あぁ、そうだ。いくら見た目がキレイだからって全部がキレイな訳じゃないんだ。あの子はなんて答えるのかな。
「そうなんだ。でも、何かを頑張るって凄いことだよ。」
「え?」
「だって、それが出来るようになるまでいっぱい努力してきたんだと思うよ。凄いことだよね。」
あっけにとられた。
今まで勉強しても馬鹿にされるだけだったのに。
『うーん、ここ分かんないな』
『先生この問題どうやって解きますか?』
『あぁ、ここはね…』
『お母さん、もうすぐノート無くなりそうだから買ってくれ…』
『またなの!?この前も買ったじゃない!』『ごめんなさい…』
『お前オレを見下してんだろ!!』
『違っ!痛い!ごめんなさい!』
『うるせー!黙れ!』
『何なんだよ!お前もアイツも!オレを見下しやがって!クソが!!』
『アイツ勉強ばっかりして何が楽しいんだろうねw』
『それなw』
でも、白石さんは、認めてくれた。凄いことだって。
泣きそう…あぁ涙で文字が歪んでくる…
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