第2話 もう一輪の花~オレンジ~

あの男との『行為』が終わると、急いで制服に着替え、荷物を持って学校に向かう。


「……」


うつむいているお母さんを通りすぎながら

心底汚いと思った。

男にすがるしかないお母さんと

抵抗もせず言われるがままの私。

どっちもすごく汚くて吐き気がする。

あの男が来てから私達は汚いものに変わったんだ。


学校に着くと一番前の自分の席に座り、勉強を始める。

勉強は好き、自分の努力がちゃんと出てくれるから。

勉強していると私以外の生徒が次々と入ってくる。


「また、あの人勉強してるよ~」

「毎日飽きないよね~」


そんな声を無視しているとホームルームの時間になった。


「おーい!席につけー!」


担任の声と共に私は勉強道具を机の中に直す。


「お前らに転校生を紹介する、入ってこい」


そういうと教室の扉が開く。

腰ぐらいまである白い綺麗な髪をなびかせながら、入ってくる。

目は二重で綺麗な顔立ちをしていてまるでお人形のような子が黒板の前に立った。

思わず女の私でも見とれてしまうほど綺麗だった。


「おはようございます。私は白石 あやです」


そう言って頭を下げる、あやと言う子。

見た目だけでなく声も綺麗だった。


私と目が合うと笑いかけてくれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る