どうも、精霊です。

時の魔法。

　どうも、精霊です。

　キングを卵に戻すために時の魔法を使える人間を探してるんだけど、やっぱりなかなか見つからないよね。

　あれは難しいもん。

　色んな種族の中で人間が一番魔法が得意だけど、それでも難しいよね。

　でもキングがさ、けっこう落ち着いてるんだよね。

　なんて言うか、敬語で毒を吐くちょっと危ない奴くらいになってきたんだよね。

　これならテンタたち三人が時の魔法を覚えるのを待ってもいいかもって思ってるんだよね。

　時の魔法を教えてくれる人間ならいそうだし。

　そうそう。そのテンタたちなんだけど、しっかり地の上位精霊のところに特訓に通ってるよ。

　特訓内容が宝玉掘りなのが気になるけど。

　他には何してるの？　って聞いたら、体力をつけるために石を運んでるとか、魔力と一体化するために川底でゴミ拾いしてるとか言うんだよ。

　いいように使われてる気がするぞ……。

　まぁでも、実際に魔力量は上がってるしね。良しとしよう。

　それからこの前、地の精霊獣になってくれる魔物を探してたじゃない？

　あれね、剛腕ウサギの下位種の兄ちゃんが引き受けてくれたよ。

　誕生したよ、地の精霊獣。

　見た目はね、あの……毛むくじゃらの毬！

　そこからピンと立った耳が見えるんだよ。

　だから剛腕ウサギの時と変わった事と言えば、体が3倍くらいになった事かな。

　しかし剛腕だからね。

　彼ら素手で地下迷宮とか掘れるからね。

　それが3倍だよ？

　愛らしい見た目に反しすぎだよ。

　もう地の上位精霊のあいつ喜んじゃってさぁ。

「最高の労働力！　俺の守り神！」

　とか言ってはしゃいでたよ。

　まぁそういう事で、俺たちはおおむね平和です。