真実って聞きたくないって思うこともある。
どうも、精霊です。
あれから七日七夜こき使われました、精霊です。
そいでさ、水龍が言うには魔人はたくさんの子供の死霊が集まって1つになった存在なんだって。
だから人格がたくさんあるのか……って、問題は水龍が前に言ってた、可哀想っていう言葉だよね。
あの魔人の、何がそんなに可哀想に思ったのか? って聞いたんだよ。
そしたらね
「餓死した子らばかりなのだ。まわりの人間は見て見ぬふりで、いつしか浮遊しておったと。自分の死を嘆き、死にたくないと泣くものだから、つい深海石をやってしまった」
ってこういう話だよ。
そりゃあ人間嫌いだよね。人間に味方する精霊なんか嫌いって思うよね。
子供が歳に見合わない力を得たら、そりゃあ止めがきく訳ないよね。
これは、キングに精神操作の魔法をかけたのも魔人だね。
あとは、子供たちはかなり前から幽霊だっただろうって水龍が言ってたから、この前の人間たちの子供なのかもな。
そうかぁ……。
「お前はそれでも人間を愛せるか?」
水龍に聞かれて一瞬ドキッとしたよ。
「もちろん、愛せる」って答えたんだけど、モヤモヤしてあの人間たちに会いに行ったんだよね。
あの爺さんたちを集めて話をしたら、やっぱり自分たちの子供だったそうだよ。
「子供に恨まれるような事したの?」
俺はこの期に及んで、まだ信じたくなくて聞いたんだけどね。
「身に覚えがある」
って言われたよ。
その頃は大オーク期で、増えすぎたオークたちが人間と全面戦争してた時期なんだよね。
毎日オークが攻めて来るし、体も心もボロボロだったんだろうね。
いや、だからって許されることじゃないけどさ。
でも魔人のした事も許されちゃいけないよね。
とは言っても誰も罪を裁く事なんてできないんだから、前を向いて歩くしかないんだけどね。
居たたまれないよね。
うう……ん。
それでも、やっぱり俺は人間が好きだよ!
だから皆、安心して立ち上がれ!
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