この惑星の記憶。

 どうも、精霊です。


 今日は日記って言うより、ゴーレムベアに聞いた話を書き残しておきたいと思ってさ。

 ゴーレムベアは死と再生を繰り返す魔物だからね、終われないんだ。

 全部、覚えてんだよなぁ。


 初め、ゴーレムベアの話は「この惑星の年齢を知っているか?」から始まったんだ。

 この惑星って実は、出来てから一万年そこそこらしいんだよ。

 それから色々な種族の寿命の話をした。

 ゴーレムベアに寿命はないし、人間は長くても百年くらい。

 精霊は五百年だし、龍は三千年だ。


 それからゴーレムベアは、龍が元は宇宙に住んでいたって言うんだよ。

 それは今ここに生きている龍たちの曾祖父の世代の話だって。

「窮屈だろうに、なんでこの惑星に来たんだ?」

 俺が聞くと、ゴーレムベアは信じられない事を言ったんだ。

「宇宙規模の大災害が起きたのだ。生き残りを救うために慌てて龍たちが造ったのが、この惑星。自分たち自身を礎にしたものだから、全ての龍はこの惑星を離れられないのだ」

 驚いたなんてもんじゃないよ。

 それに、みんな別の惑星から集まった生き残りで、この惑星で生まれた種族は精霊だけだって言うじゃない?

 最初は年寄りにからかわれてるのかと思ったけどね、このゴーレムベア、自分の目で見てきたって言うじゃない?

 信じるしかないでしょ。


 それに考えてみたらさ、ゴーレムベアは他の魔物と比べて異質なんだよね。

 死と再生とか……

 そんな魔法はないし、そんな魔物も他にはいないしね。

 なにより龍の強さを考えたら納得しちゃったんだよな。


 さぁ、明日はこのゴーレムベアと戦闘なんだから、気合い入れて寝るぞ!

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