――塔の出口を探す頃――

過去の偉人たち。

 どうも、精霊です。


 迷宮で迷わされてるだけじゃ芸がないからね、俺は考えたんだよ。

 目印を付けながら上がってみたらいいんじゃないかってさ。

 敵が強すぎて困るなんて事は俺たちには無いんだから、あとはこの塔に掛けられているであろう、空間魔法を破ればいいんだよ。

 最初からおかしかったよね。

 空間魔法だけが使えないって、どういう事? って感じだよね。


 いや、それでね。俺たちは上がったんだよ。その階から柱に傷をつけてさ。

 5階おきにゴーレムベアがいるんだけど、次のゴーレムベアまでは何事もなく行けたんだよ。

 そんでゴーレムベアを素通りして階段を上ると、何故かしるしが付いてる。

 念のためもう一階のぼると、しるしがない。

 さっきの階へと下がって確認すると、しるしが無い!

 もうめちゃくちゃだよ。

 キングなんか

「塔を破壊すれば出れるのではないでしょうか?」

 なんて言い出すし、フーンは乗り気だし。

 慌てた俺は必死で考えたんだよ!

 この塔めちゃくちゃじゃない?

 そうだよ、めちゃくちゃになるんだよ。ゴーレムベアを倒さなきゃ。


 俺、世紀の大発見!


 けど不正解だったわ……

 ゴーレムベアを倒してから上がったのに、ズレたわ。

 ゴースト騎士の氷漬けだけが虚しく増えるよね。

 そんでね、ゴースト騎士の上位種に会ったんだよ。それもかなりの爺ちゃん。

 魔物っていうのは言葉を操れる上位種と、操れない下位種に分かれるんだ。

 ちなみにパペットは、コボルトの下位種だったぞ。


 そんで、そのゴースト爺ちゃんが言うんだよ。

「頼むから、塔を壊さんで正規の道から帰ってくれ」ってさ。

 話を聞いたら、昔この塔に探索に来た人間たちが、出られなくて塔の大破壊をして帰ったらしい。

 キングみたいな人間もいるんだね。

 ゴースト爺ちゃんが教えてくれた正規の道って言うのは、ちょっと信じがたい道だったんだけどね。

「上は入り口、下は出口」

 外に出たけりゃ下に行けっていうんだよ!

 堪んないよね。


 という訳で、今日はもう一歩も動きません。

 それに、運悪くあげた加護が同時使用されたみたいで息切れぎみなんだよね。

 でも、明日は爺ちゃん信じて下に行くぞ!

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