あなたの地雷どこですか?

 どうも、精霊です。


 はい。今日も今日とて出口が分からないぞ。

 ちょっと疲れたからゴーレムベアに聞いてみたんだよ。あいつら喋んないけどいい奴らだからさ。


「外に出たいんだけど、出口どこ?」

「ぐおぉぉ!」


 って襲われたんだけど!

 どういう事!? 俺ら友達だよね!?

 とは言ってもゴーレムだから半日もすれば復活するし、もう襲ってきてるし、なんならキングとフーンはやる気満々だしね。

 俺が一人で相手したよ。

 だってあの二人、手加減を知らないんだもん。天井っていうか、ベベルの塔が崩れかねないからね。

 しかしね、その戦いが終わると世界は一変していたんだよ。

 全く関係ありませんけど? みたいな顔でうろついてたゴースト騎士が襲いかかってくるようになってさあ!

 なんか訳ありみたいだから、倒さずに全員きれいに氷漬けにしたよね。

 ホントさぁ……何事だよ。

 最近ちょっと俺のまわり荒れすぎじゃない?


 まぁ、今は空っぽな隠し部屋で質素な夜ご飯してるけどね。

 食べながら書かないで下さいね! って、キングが母ちゃんみたいなこと言ってるわ。


「ところで、錬金術って何ができるの?」

 俺はフーンに聞くんだよ。

 そしたらフーンが、こう答える。

「物質を別の何かに変化させるというのが錬金術だ」

 ほう、ほう。

 つまり、物から物を作るんだ?

 とすると俺たちの言うところの、魔法は使えないとか?

「使えない。原理も分からない」

 えぇ、そしたら精神操作とかはどうなんでしょ?

「そんな恐ろしい魔法まであるのか。こちらでも人間はやはり危険な生物だな」


 あれ?

 キングを堕としたの、もしかしてフーンじゃない?

 そっかぁ。別の奴なのか。

 ヤバイ奴がもう一人?

 あれなんだっけ? ツラコン。


「人間より幽霊の方がよっぽど優しいな」

 ってフーンが呟いてさぁ、気になるじゃない?

 なにその話って聞いたら、幽霊に道を教えてもらったって言うんだよ。


 紅葉の時期の天空樹へ、人間の国へ、そしてあの日の精霊の森へ。

 ん? 親切な、幽霊か?

 しかし幽霊っていうからには、ゴースト系の魔物なんだろうな。

 こいつが人間にトラウマ持ってる危ない奴だって、知らなかったかもしれないしね。

 とりあえず、今すぐ考えなくてもいいだろう。

 まず塔を出なきゃどうにもならんよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る