逃亡生活で分かったこと。

 どうも、精霊です。

 思いがけずキングからの逃亡生活が始まっちゃって、日記を書く気力がなかったわ。すまんね。

 けど、分かった事がある。

 新事実だぞ!


 堕ち物キングは龍の卵が堕ちたものでした。

 いやぁ、そりゃあキングな訳だよね。分かる、分かる。


 でも龍って普通は堕ちないんだよ。普通はね。

 卵だったからかな? と思って、龍の奥さんに聞いてみたんだよ。

 そしたら「飛んでたら一つ産まれちゃった」って。

「それかな?」って、それだよ!

 場所を聞いたら、オークの集落辺りだって言うんだよ。

 もう同情を禁じ得ないよ。

 どんな酷い目に遭ったのか想像に難くないよ。

 よく美味しくお食事されなかったもんだよね。


 それでね、キングは責任を持って龍の奥さんに預けてきましたよ。

 他は全滅させたったわ。

 いや、だってキングは倒しちゃ可哀想でしょ?

 このままじゃ報われなさすぎるじゃん?

 でもあいつ、時々逃げだして来るんだよなぁ……。

 未だに「魔王様」とか言うし……。


 しかしキング、精神操作の魔法を掛けられた気配があったんだよなぁ。

 本人は知らないって言うし、気のせいって事はないと思うけど、魔法の気配が薄くて辿れなかったんだよねぇ。

 まぁ、それもあって龍に預けたんだよ。

 あいつら強いし。何とかしてくれるでしょ。

 どんな姿になっても可愛い我が子だしね。


 そんなこんなで帰って来た俺に更なる問題が!

 精霊の森が近未来的な都市になってる⁉

 岩肌から家とか生えてるし、巨木の中に転生者たちが住んでるし。

「おかえりなさい」とか言われたの何百年ぶりだろう。

 ちょっとウルッときたわ。

 別に寂しかったとかじゃないからな!

 さぁ、事情聴取の時間です。 

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