第10話 世界の真実

…………

あれから更に2、3日たった。

未だに来る気配がない。

街の復興はほぼほぼ完了した。

見た目ほどダメージを受けていなかったようで、 本当に助かった。

でなければもっと復興に苦労しただろう。

まずは安心だ。

俺はその日は、 街の結界が機能してるか1人で見回りをしていた。

「ふむ何とか大丈夫そうだな。 これならほとんどの魔物は侵入出来ないだろうし、 破壊工作も簡単には出来ないだろう。 結界は大丈夫そうだな。 」

俺は全部の結界が大丈夫そうなのを確認すると、 街に戻ることにした。

街の方へ向かってる途中、 どこかで感じた気配を後方に感じた。

「そこにいるのはアネモネか? 」

「はいカランコエ様、 大変お待たせしました。 」

「なんでそんなに遅かったんだ? なんかあったのか? 」

「はいカランコエ様の街の復興をお待ちしておりました。 」

復興を待っていた?

だと?

誰のせいでこうなったと思ってるんだ。

「あのなあ、 お前らの主のせいでこうなったんじゃないのか? それとも違うというのか? 」

「まさか、 そんなはずは……あのお方がそのようなことをするはずがありません! 」

知らないのか、 知ってるけど演じてるのか。

いや後者はないな。

見ればわかる。

てことは知らないのか、 本当に神ではないのか。

会ってみればわかる事かな。

「分かったその神とやらに合わせてくれるんだろ? 」

「えぇ、 それでは参りましょうか。 」

しばらく復興の間は、 式神の何体かを守りにつかせているのである程度は安心だろう。

「ああ頼む。 」

俺が頼むと彼女は俺の傍に寄った。

「それでは参りましょう。 」

彼女がそう言うと、 突然あの時のように翼が俺たちを包んだ。

目の前が白い物で覆われる。

そして一瞬の浮揚感を感じたかと思うと、 目の前を覆っていた物が次第に開かれていった。

そして次に俺の目の前に映ったのは、 見慣れない綺麗な街だった。

どの建物も白を基調とした色合いで、 どれも眩しく見えた。

そして大通りの先に視線を向けると、 これまた白く大きなお城が立っていた。

あれが神の居城だと言うのだろうか。

神の住むところと言うより、 まるで王の住処だな。

「あちらに見えますのが我らが、 主アドミン様が居られる場所でございます。 」

「アドミン、 それがやつの名前か。 」

「はい、 アドミン・ディクテータ様でございます。 1天教が教祖、 我らを統べる御方でございます。 くれぐれも粗相のないようにお願い致します。 」

「それはどうかな。 神の住む場所にも普通に人が住んでるんだな。 」

「えぇ、 ですが彼らはアドミン様より選ばれた存在。 ここに住めるのは選ばれた極わずかな人間だけでございます。 」

「ふーんそうなんだ。 」

選ばれた者のみが神と共に居られる。

これじゃあまるで……

「着きましてございます。 ここからはアドミン様が見た目た方のみが入れる、 神聖な場所。 心してください。 」

「魔王なんかを入れて大丈夫なのか? 入った瞬間蒸発とかしたりしない? 」

「ご心配なさらずに。 確かに魔王がこの聖域に入られるのは恐らく初めてのこと。 しかしもとよりこの場は神聖な場所、 いかがわしいものなど寄りつけぬ場所にあります。 結界などの類のものは必要ないのです。 ですからご安心を。 」

そう言うと彼女は扉を開けた。

俺は目を疑った。

何たる光景。

この世界にきて、 ここまでの豪勢な物は見たことがなかった。

ホールが輝いて見える。

床も壁もピカピカしている、 そしてよく分からないが高そうな物があちこちに転がっている。

天井にはシャンデリアなんてのもあった。

まるで金持ちの王の城だな。

神ってのは実際どう言う生活をするんだろうな。

これじゃあ人間と同じだ。

いやもとよりここの神は人間様だったな。

鎧が両端に並ぶ長い廊下を進むと、 ほかの扉とは明らかに様子が違う扉があった。

恐らくあそこの先にいるのだろう。

彼女は1度その扉の前で立ち止まりこちらを向いた。

「今1度申し上げます。 くれぐれも粗相のないように。 」

そう言うと彼女は扉を開けた。

扉の先にはこれまた大きな空間が広がっていた。

そして奥には玉座に1人の女性が座っていた。

その周りに6人の女性が並ぶように立っていた。

あれが神か。

そして周りのは恐らくアネモネと同じ奴らかな。

「アネモネ、 ご苦労様でした。 」

「アドミン様、 こちらが魔王カランコエ様でございます。 」

「あんたが神様ってやつか? 俺に用ってなんだ。 」

「貴方ねえ! アドミン様の前で何よその態度! 」

「シルフィーよしなさい。 彼はこの世界の人間ではないのです。 」

そんなことまで知ってるわけか。

「で、 ですが。 アドミン様! あまりにもあの者は無礼です! 」

「シルフィー。 」

彼女がそう言うと、 シルフィーと呼ばれた女性は黙った。

「失礼しましたわ、 ですが彼女を責めないであげてください。 それに異界の者とはいえ何をしても良いとは言っておりませんわ。 そこを履き違えぬようお願い致します。 」

「ああ、 俺もあんたらがあんな事しなければ、 もっと友好的にしたかったんだけどね。 答えてもらおう。 なぜ俺たちの街を襲わせた。 なぜ勇者であるスミレを狙う。 」

彼女は表情一つ変えなかった。

まるで予想していたように。

「貴様! いい加減にしろ! 」

ほかの女性が激昴する。

「やれやれごめんなさいね、 ですが貴方様の仰ってることは身に覚えが御座いませんわね。 私がなぜそのようなことをしなければなりませんの? はっ! もしやこの私を陥れようとする物がやったのかしら! 」

何を白々しい。

演技が下手くそか。

こいつがこれだと話にならんな。

やれやれ無駄骨だったか。

「そうですわ! アドミン様に仇なすとはなんと言う不届き者。 許せないわ! 」

何人かの女性がガヤガヤしてきた。

そしてアネモネ含む数人はバツの悪そうな、 何か神妙な面持ちをしていたような気がした。

「はあ、 分かった。 あんたらを疑って悪かったよ。 それでだ、 俺に話があるんだろ? 」

「そうでしたわ。 カランコエ様、 貴方様はどうして魔王になられたのですか? あなたになんの得があるのですか? 私にはそれがわかりませんわ。 」

そんなこと聞いてどうするだか。

「うーんそんなこと聞かれてもな。 正味そんなに考えてなかったしな。 もとより俺は1度死んでるから。 今更何をやっても同じだと思ってるし、 それだったら誰かの為にできることをする、 俺がそうしたいからそうしてる。 それだけの事だ。 」

「なんとまあ、 貴方様は優しいのね! 私嬉しいわ。 」

そう言うと彼女は急に泣き出した。

何でこいつが泣くんだ。

「なんであんたが泣いてるんだ? 」

「私は嬉しいのです。 魔人の皆様のことをそこまで思ってくださる方がいるなんて。 」

よく言うぜ、 魔人を排斥してるのはお前ら1天教が主だろ。

なんで女は嘘泣きがこうも得意なのだろうな。

俺じゃなければ騙されていたかもな。

こいつもちゃんと女してるって訳だ。

見た目は普通に綺麗だしな。

いやほとんどの男を虜に出来るだろう。

だがしかし、 俺には無意味。

「で、 ようは? 」

「あら失礼。 それでですね、 貴方様は魔人が元々人間だったのはご存知ですよね? 」

「あぁそう聞いてる。 魔王が死ねば人間に戻れるとも。 しかし今に至るまでそれは叶わない、 ということも。 」

「えぇそうなのです。 そしてそれは間違っているからです。 」

「間違っている? 何がだ。 」

「それは……それはですね。 魔王を倒すだけではダメなのです。 」

「と、 言うと? 」

「魔王を倒せるのは勇者の加護を受けた勇者のみ、 つまり勇者も魔王と対等の力を持つということ。 」

「それで? 」

「ですから魔王だけが死んでは意味が無いのです、 勇者も共に死ななければならないのです。 」

またとんでもないこと言い出したな。

たしかそう言ったケースは1度はあったはず。

それでも現在に至る。

つまり奴は嘘をついている。

それにさっきから奴から嘘の匂いがプンプンしてやがる。

こいつはくせぇ、 クソ以下の匂いが染み付いてやがる。

「ホントにそれで解決になるのか? 証拠は? 何故そう言いきれる。 」

「証拠はありませんわ。 私の推測ですわ。 ですが他に方法がありましょうか。 」

他に方法か。

こいつはどんだけ俺たちを疎ましく思ってるんだ。

特にスミレ。

何故こうも嫌われるのか。

たしかあの親子はこいつをよく思ってなかったんだよな。

それでたしか狙われたとか。

待てよ、 こいつの街、 こいつそのもの。

もしやこいつは……。

いやまだ決めつけるには早計だ。

「だからお願いです。 私のため、 みんなの為に、 スミレを倒しこれで命を断っては貰えませんか? 」

こいつ可愛い顔でなんて事言ってんだ。

しかも自分のためって、 言ったか?

本音出てやがるわ!

「いや断る。 何故そんなことをしなければならない。 」

「そう言わずにお願いします。 あなたもこのままでは困るでしょう? ですからね? 」

そんな顔で言われてもなあ。

人殺して死ねって言ってるようなもんだぞ。

「だが断る。 」

彼女が表情が先程に比べ引きつってきた。

「いやですがそれでは、 なんの解決にもなりませんわ。だからお願いしますわ。 」

「いやしかし断る。 俺になんのメリットもない。 」

「あんたね! アドミン様がここまで頼んでるのよ! いい加減にしなさいよ! 」

周りの天使共が野次を飛ばす。

おいおいおいおい!

俺が悪者見てーじゃねえか。

あっ、 神の頼みをとにかく断って、 涙目にさしてる時点で悪者か。

まあ俺魔王だし?

それくらいしても良くね?

そもそもこういう女は好かん。

てか女は好かんのだ。

「わーたよやるかは俺の気分がのったら考えてやるよ。 」

「まあ! 本当に? ありがとう! それではこれを受け取ってくださいまし! 」

そう言うと神は、 俺の目の前に1本の大剣を差し出した。

「これは? 」

「こちらは勇者の加護を受けた神器にございます。 勇者を倒した後そちらで…… 」

「ああそういうこと。 てかまだやると決めてないから。 まあとりあえず受け取っておくよ。 」

俺はその剣を受け取った。

ん?

こんな感覚。

変だ。

何やら勇者の加護を受けた剣だからか?

いや違う。

何か細工をしているな?

いいだろう。

「で要件はそれで住んだのか? 」

「はい、 わざわざ御足労ご苦労様でした。 アネモネ、 また元の場所にお連れしてあげてください。 」

「はいかしこまりました。 それではカランコエ様。 」

彼女はそう言うと、 俺の傍に立ち、 再び翼に包まれた。

俺は見逃さなかった。

翼が視界を遮る間際、 神が不敵に笑ったのを。

そして翼が開かれて目に映ったのは、 見慣れた光景だった。

「それでは私はこれにて。 」

「アネモネ、 君はどう思う。 」

「どうとは? 」

「君たちの神の事だよ。 正直に言うと俺はあいつを信じられない、 なにか企んでるように思える。 」

「私は、 正直わかりません。 ですがそれでも私は信じなければいけません。 そうでなければ……。 」

「まあそうわな。 自分が信じたいと思うものを信じればいいさ。 それが正しいか否か分からなくてもな。 もとより人間なんて不完全なものだ。 自分の気持ちに正直にな。 じゃあな、 ありがとうよ。 アネモネまた会おう。 」

「あ、 あなたは一体。 」

「俺はただの魔王さ。 不器用な人間のな。 」

俺はそう言うと立ち去った。

「正しいこと、 私はどうすれば。 」

彼女は何かを考え込んでいたようだった。

彼女が正しい道に歩めますように。

俺は街に戻るとすぐ部屋に戻った。

そしてやつに貰った剣を抜いた。

見事な刀身だ。

そして内に何やらとてつもない力を感じる。

俺だけでは分からないか。

剣のことならやはり鍛冶屋だな。

俺は早速ダリルの元へと向かった。

「やあダリル、 今いいか? 」

「ああ、 カランコエ様。 大丈夫ですよ、どうなさいました? 」

「これなんだが何か感じないか? 」

俺はダリルに剣を見せた。

「見事な剣ですね。 しかしなんでしょう、 ただの剣ではないようです。 とてつもない魔素を感じます。 何やら特殊な呪文が施されているようですな。 この手の魔法は私より魔法屋の方が詳しいかと。 」

「そうかありがと、それじゃあ彼女のとこに行ってみるよ! 」

ダリルでも詳しいことはわからなかったか。

早速助言通り魔法屋の姉さんのとこに向かった。

「魔法屋のお姉さん、 いるかい? 」

「あら! カランコエ様いらっしゃい! 今日はどうしたの? 」

俺は彼女に剣を見せた。

「これなんだけど……」

「あらあら私にそんなもの見せても何も……嘘、 カランコエ様これをどこで。 」

彼女は急に顔色を変えた。

「ちょっとある人から貰ったんだけど。 これ知ってるの? 」

「えぇ、 これはカラミティソード。 これを持つ者を殺す剣よ。 」

「どういう事だ? 持つ者を殺すって。 どうやって? 」

「カランコエ様先の襲撃、 覚えてますか? あの時襲撃者が持ってた得物も、 全てこのカラミティソードの類なの。 トリガーは分からないけど、 その効力が働いた時、 この剣は使用者を殺すの。 」

これでやはりあの襲撃は神が関与していた。

ということが確定になったか。

「これはそんなにあるものなのか? 」

「いいえこれを作れる者を私は知りません。 ただそういう効力があると、 私の祖父が教えてくれたの。 なぜ祖父がこの剣を調べていたかは知らないけど。 」

「その効力を消す方法とかは無いのか? 」

「うーん、 あっ! 少し待ってて! 」

そう言うと彼女は店の奥に引っ込んでしまった。

トリガーは分からないが、 条件が揃えば使用者を殺す剣。

とんでもないものを受け取ってしまったものだ。

待てよ?

てことは勇者もそういう剣を持ってるのか?

それとも勇者自体にそういう呪いが?

だとするとまずいかもな。

条件も気になるな。

「この日記にその辺について書かれてるわ! 」

彼女は1冊の古ぼけた本を持ってきた。

「もしかしてお爺さんのかい? 」

「えぇそうなの。 でも所々読めないところがあるのよね。 役に立てるか分からないけど読んでみて。 」

所々読めないところ?

古い日記のようだから劣化か何かかな。

「ありがとう! 助かるよ。 」

俺は早速部屋に戻りその日記を読むことにした。

ホントに古いんだな。

変な匂いもするし。

字も所々掠れている。

「○月✕日、 今日は憧れのあの子とデートした。 この日をどんだけ待ったことか! 彼女のために魔法を覚え、 共通の話題を作ったのだ! 」

て、ここは関係ないか。

適当に開いたページがまさか恋バナだとは。

興味無いことは無いがこれは後にして、

「○月✕日、 私は今日恐ろしい剣を見た。 なんと使用者がその剣で自らを切ったのだ。 その剣は一見普通の剣なのだが、 内にとてつもない魔素を秘めていた。 私はこれをカラミティソードと呼称する。 」

おっどうやらここからカラミティソードについて書かれているな。

「私はこのカラミティソードを調べることにした。 この剣は特定の条件でのみ、 その効力を発揮するようだ。 」

ん?

ここから先が所々文字が消えてて読めないな。

なんか違和感を感じる。

劣化で消えたようには思えない。

気になるな。

うん?

この匂い。

もしかして。

クンカクンカ。

やはりそうだ!

これはあぶり出しで、 もしかしたら。

俺は片手に小さい炎を作り出し、 日記を炙った。

すると隠されていた文字が浮かび上がってきた。

やはりあぶり出しか。

ガキンチョの頃よく遊びで友達と、 こういった暗号遊びしたものだ。

それが役に立って良かった。

色々経験するもんだな。

さて続きを読むことにしよう。

「○月✕日、 ここから先は文字を隠すことにする。 なぜならこれはこの世界の理を、 皆が信じてる真実を覆しかねん事象なのだから。 もしこの日記を読んでる者がいたら知って欲しい、 この虚栄の上に成り立つ、 世界の真実を。 カラミティソード、 これは恐ろしい呪われし剣だ。 私はついにこの剣の恐るべき力を知った。 私は今までこの剣の例の力が発動されるのは、 規則性のない呪いのアイテムかと思っていた。 だが違った。 あれは特定の条件でのみ発動するようだった。 それはその使用者が……うっ! 貴様は! …………これを知ったものはなんて事にもなりかねないので気をつけてくれ。 」

日記でなんちゅうことしてくれんてんだこいつ。

「その条件とは、 使用者が何らかの形で、 神について口にしようとした時に発動するようだった。 神は何らかの理由でカラミティソードを渡したものが、 自分のことを口走ろうとした時に発動するらしい。 ただこれも例外はあるようだ。 自分を陥れる内容では無い場合など不特定条件では発動しないようだ。 神の気分で決まるのだろうか。 そこまでは分からないがこれだけは言える。 カラミティソードは神が作った忌まわしき剣。 そして自分の尊厳を守るため使用者を食い物にするのだ。 そしてこれは剣だけでは無い。 勇者にもこれと同じ呪いがかけられている事に気づいた。 そのせいで私の友は、 私の元を去らなければならなかったのだ。 彼は私に色々なことを教えてくれた。 そしてこの世界の現状を憂いていたのだ。 やはりこの世界に置いて、 神を疑うことは自殺行為に等しいのでは無いのだろうか? もし、 全生物にこの呪いが掛けられていたとしたら? そう考えるだけで身震いがする。 だが私は友と手を組みこれに対抗する魔術を完成させた。 友が完成の日の目を見れたらどんなに良かったことか。 だが彼の犠牲は無駄にはならなかった。 彼が倒れて少し経ってから、 私はある人の力を借りることに成功した。 7大天使の1人であるトリーズンだ。 彼女とは友との繋がり仲良くなった。 そして私は恋をした。 彼女も私に好意的であった。 それが男女のそれかは知る由もないが。 彼女もこの魔術を完成させて程なく、 姿を見ていない。 生きていてくれるといいが。 天使だからきっと大丈夫だろうとは思うが。 彼女が心配だ。 だが私はこの魔術を正しき者に伝える義務がある。 だがらこの手記を残している。 これを読んでる者よ、 この魔術は正にも悪にもなりゆる。 使い方次第でどうにでもなるのだ。 だからどうかこの魔術を、 私たちの命の結晶を、 悪用だけはしないで欲しい。 人々の為に、 誰かのために、 正しく使ってくれることを願う。 」

そしてその魔術の術式等が記されていた。

そうだったのか。

やはりあれは神の仕業。

それに気づいてた人間が他にもいた訳だ。

そして尽く神はそれを滅してきた。

だが勇者や天使が、 この魔術に関わっていたのは驚きだ。

トリーズン、 彼女は今も天使にいるのだろうか。

もしかしたら力を貸してくれるかもしれない。

まあ助力を得られないとしても何とかしないとな。

これでは神とは呼べない、 やはりただの独裁者だ。

これで確信が持てた。

俺の敵は神だ。

とにかく今はこの魔術について勉強せねば。

俺はしばらく、 この日記を隅々まで読むことにした。

この魔術が世界を救う鍵となれば良いが。

…………

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