清澄 ショートSHOW
清澄
第1話 煙草1本の間に…
いつものコンビニでpiani××imoを一箱買い
四ツ目通り横にあるいつもの喫煙スペースで高田はいつものように、いつもの時間で煙草に火を点ける。
深く吸い身体全身で煙草をゆっくりと味わう。
溜め息と一緒に今日も煙草の煙が東京の夜空に吐かれる。
高田は煙草1本をゆっくりと味わうのが至福のひと時としている。
煙草1本を味わう間で何かを考える。
それが高田にとって、このうえない嗜好事なのである。
以下は高田の思考録である
会社に向かう電車・帰途に向かう電車。
決まった時間の電車に乗ると大体の顔ぶれも一致してくる。
過去には、憂鬱で変わらない日常に少しは変化を与えたいと電車の車両を1号車づつ変えて新鮮(フレッシュ)さを感じようと試みた。
まあ、新鮮さを感じれたのも半月しない頃までだったが…
これは動物全体に通づることかもしれないが「習慣(習性)」といのがあるらしい。
まるで、最初から決められた車両があるかのように皆同じ車両に居座っている。
最近は俺も腰を落ち着け15両目で安定となった。
これも、習慣なのだろうか。
皆、静かに座って携帯端末機に触れている。
四角い車両に詰め込まれ
四角い端末の四角い画面に各々の世界が広がっている。
そう思えば、この決まりきった狭い車両の中も退屈ではないのであろう。
しかし、その退屈しのぎが俺には出来なかった。
携帯端末機は一丁前に2台も持ち合わせている。
SNSも流行りも大体は心得ている。
ではなぜだろう、それは俺がもっている神経症のせいかもしれない。
俺の携帯端末機を誰かが盗み見て個人情報を盗まれるのでは。
携帯端末機を鞄から出すと一緒に会社の重要資料などを気づかないうちに落とし
て誰かに悪用されたら。
逆に、俺自身が携帯端末機で誰かのプライバシーを盗み取ろうとしているように思われないだろうか。
遠隔操作されないだろうか
あああああああああ
携帯端末機を使うのは恐怖と不安でしかない。
それが、この狭い四角い車両の中にいては尚更だ。
恐怖と不安が増し、鞄からそれを出せない。
それを、皆平気でやってのける。
それも暇潰しでだ。
この神経症のせいで、人並みの行動が出来ないのか。
「歩き、スマホはやめましょう」
どっかの啓発ポスターに書いてあったが。
そんなの怖すぎる。
歩いた道跡に何か落として(言葉にできないが)悪用されるのではないか。
確認行動で頭がいっぱいになるだろう。
そうなると俺は人間世界にはおいてかれたような感じがする。
そういう、神経症の脅迫(恐怖)が俺をいつも襲う。
その時、煙草頭が真っ赤に光った。
結局は、日常、変わらないということが安心を感じるのかもしれない。
だから、無意識のうちに習慣が。
煙草も息を断ち草臥れていた。
そう思えば、この憂鬱な毎日も少しはと。
良い感じに考えがまとまり、決まりきった時間の総武快速線に乗るため錦糸町駅に向かう。
清澄 ショートSHOW 清澄 @kiyo-no-sumi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。清澄 ショートSHOWの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます