クレーンゲームの達人

◀︎▶︎30プレイ

これからもYouTuberを続けていくことを決めた僕はダメ元で採用された企業に両立をしてできないかと聞いたが、案の定否定されてしまいお見送りという形になった。名残惜しい気もしたけど、もう迷いはなかった。夢よりも大切なことがようやく見つかったのだから。自宅からも無事追い出されて神谷と共同生活を送ると決めて二人でまた、動画撮影の日々を送ったのだ。

「鈴木！　こんなのはどうだ」

「誰がやるのさ」

「ワイがやるからいいだろ？」

「それならいいけど」

　再び、僕たちは動画を撮影するためのネタを意見交換した。あれをこうしたら面白いんじゃない？　いや、こっちの方が面白いよ。と、僕たちはまたいつもの日常を取り戻した。この日常が安心できてとても心地良いと知ったのは、最近になってから気づいた。これが僕の在り方なのだと。

「じゃ、あれやろうよ。人間クレーンゲーム！」

「絶対に嫌だ！」

　僕たちのYouTuberとしてのコンビはこれから先も続いていく。カミタツとスートンのコンビは永久不滅なのだから――

　　　　　　完