魔王との戦い・その7
女僧侶が唱えるハンハーンの蘇生魔法。
それは、最上級に位置する神聖魔法の奇跡。ハンハーン神徒の中でも位の高いこの女僧侶は、一日に最上級の神聖魔法を三度まで使用できた。
ただ、この日は神託に一度使っている。そのため、あと二回が限界だった。
半々の確率にかける女僧侶。だが、一度目で老魔術師は灰になった。
だが、勇者の叫びが効いたのか、二度目で老魔術師は蘇生した。
「うーむ。神代魔法を使った後は、想像通りじゃ……。おお⁉ レベルまで落ちておる⁉」
灰から蘇った老魔術師。体の不調は言うまでもなく、その場でへたり込んでいる。
「ちょっといい? 『霊質変換』って、対象を選べないの?」
ただ、そんな事を気にもせず、老魔術師に詰め寄る
「まあ、ある程度……」
「それってかなり重要な情報だけど⁉」
少しばつの悪さを感じているのだろう。老魔術師は、
「言って!」
その視界に回り込む
「言わないと、目玉に腕突っ込むよ!」
瞼を無理やりこじ開けて、
「儂も初めて使ったんじゃ! ただ、理解はしておる。儂もレベル70になって初めて、片方を指定できるとわかったんじゃ……」
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