腰を抜かすかと思ったＹＯ！

だってベジータ様はあたしの初恋相手！

初オナニーを捧げたのもベジータ様だし。

あのデコッパチでチビなところも、

ワールドイズマインな俺様っぷりも、

好きで好きで、も～たまんなくって。

でもしょせん二次元……。

かなわぬ恋とあきらめていたのに。

ベジータ様がゆっくりと振り返る。

あーっ！！！！　やっぱり顔はおにぃじゃん！

スカウターまでつけちゃってさ！

「び、びっくりさせないでよ！　なんでコスプレしてんのよ！」

おにぃは、今まで見たことのないような冷たい視線を、あたしに向けた。

「貴様、サイヤ人の王子に向かって、その口の利き方はなんだ？」

どっき―――――ん💛

おにぃのしゃべり方、ベジータ様そっくり！

って、ちがうちがう！　これはおにぃだってば！

しっかりしろ、あたし！

「べ、ベジータじゃなくて、おにぃじゃん！　ふざけないでよ！」

「ほう、俺様を呼び捨てにするとは、その度胸だけは買ってやる」

おにぃが腕組みをして、一歩、二歩とあたしにちかづいてくる。

ちょ、ちょちょちょ、ちょっと——！　どこまでなりきってんのよ！

そ、それとも本当にベジータ様なの？

どっちよどっち！　うひぃ～～！！！　あたしゃ混乱してきたよ！

そのとき、『ロマンティックあげるよ』が耳に飛び込んできた。

♪大人のフリして　あきらめたら～　奇跡の謎など解けないよ～♪

こ、これって、奇跡なの？　おにぃにベジータ様が乗り移ったの？

それともおにぃはもともと、ベジータ様だったの―――――？！

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