第19話

もー! なんなのよ、おにぃ!


あたしはベッドの上で足をバタバタさせる。

あぁんっ。

……まだあそこがズキズキするよぉ。

ドロってあったかいものが出てくるし。


バージン・ウィルスの進行を止めるには、エッチしなくちゃいけない。

だからおにぃとあたしはエッチしました。

おにぃとあんなことするなんて、とっても恥ずかしかったし、

痛くてたまんなかった。

きっとおにぃだって、あたしのためだからって、

いやいやしたんだと思う。


でも……。


「うがああああっ! 死ね! 死ね死ね! あのハゲキング! 地獄に落ちやがれ!」


カービィのぬいぐるみをギリギリとヘッドロックする。


病気のためって、んな簡単に割り切れるわけねえだろがゴラぁ!

そりゃあ、ハゲは初体験じゃねえけんのう!

でもわしにとっては、

一生に一度のロスト・バージンじゃ!

繊細なオトメ心をわかれ! オクトパスが!


エッチが終わった後で、

あたしはシャワーを浴びて、服を着て、ドキドキしながらリビングに行ったの。


そしたら、おにぃ、何て言ったと思う?


「若葉ー、昼飯はラーメンでいいよな? にんにくたっぷり入れるだろー?」


なんて言いながら、チャーシューを切ってた。


はっ? ラーメン?

初エッチの後で、ラーメンですと?!

正気なの、おにぃ?!

そりゃ、ラーメンは好物だよ。


だけど、もっとこう、あんだろ!!!!

大事なことが!


「おにぃのバカ! いらない!」


あたしはおにぃに怒鳴ると、自分の部屋に引っ込んだ。

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