第12話

ポケットのスマホが鳴りだした。

おやおや。噂をすれば若葉からだ。電話なんて珍しい。それだけ緊急ってことか?


若葉は表向きはメニエール病って理由で学校を欠席させていた。

症状といえば、瞳が赤いのと微熱ぐらい。

よく食ってグースカ寝るし、スマホしてマンガ読んで海外ドラマ見て、ニート生活を謳歌していた。

病気じゃなけりゃ叱り飛ばすところだ。


「俺だ。どうした?」


ヒステリックな泣き声が聞こえた。


「おにぃ? ……た、助けてぇ! あ、あたし……」


「ど、どうした若葉? 何があった?」


気が強くて生意気な若葉が、こんな風に俺に助けを求めて来るなんて初めてだ。激しくしゃくりあげるから聞き取りにくい。


「さっき……ヒッ! 起きて……肌が……ヒック……ピンクでぬるぬるして」


なにぃ?!


頭髪がゴッソリ抜け落ちたかのような前代未聞の衝撃を覚えた。

症状の第2段階→全身の穴という穴からピンク色の液体が流れだすってやつか?!


……なんてこった。

俺は頭を抱えた。

第二段階へ進むには平均一月ほどかかると聞いていた。しかしたった一週間で病状が進んでしまった……。


まさにノーセックスノーライフだ。(`・ω・´)キリッ

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