第7話
待合室で少し待たされた後、あたしとおにぃは診察室に呼ばれた。
医者(あたしのあそこにゴクブトを突っ込んだヘンタイ)は、見た目は『ちびまる子ちゃん』に出てくる中野さんみたいな垂れ目をして、人畜無害って感じだけど、あたしゃだまされないよ!
中野さんはくるりと椅子を回転させて、あたしとおにぃに向き直る。
「結果から言うとね、バージンウイルス陽性。すでに症状も始まっているしね」
マジ?! ってか、そんなあっさり言っちゃうの?
あれ? おにぃ、やけに静かだけど・・・・・・。
「おにぃ、おにぃ?」
おにぃは、白目を剥いていた。
「ちょっと、おにぃ! こんなときに失神しないでよ!」
パンッて両手を叩くと、おにぃはフガッってブタ鼻を鳴らして目を開けた。
「俺・・・・・・今、天に召されてた」
「もう! ネロじゃあるまいし! おにぃは失神してただけだよ!」
おにぃは負荷が罹りすぎるとクラッシュするんだ。堂々としてる割にキャパが小さすぎるよ。
「ねえ、おにぃ、あたし陽性だったんだよ。どうしよう」
おにぃの顔が強張った。真顔で医者を見つめる。
「つまり、若葉はバージンだったってことですか?」
そこ?! そこはスルーしてよ!
「うん。バージン・ウィルスに罹るのは処女だけだからね。例外はない。見た目もね、処女のヴァギナは経験者と違って色がきれいなんだよ。若葉ちゃんのも取り立てのあわびみたいにつやつやぬれぬれして・・・・・・」
「あーーーーー! もう止めてーーーー!」
あたしのあそこの形態なんておにぃに説明しないで!
それにおにぃはなんでハム太郎みたいに目をキラキラさせてるの?!
「ま、それは後ほど」
聞き捨てならない台詞をつぶやいてから、中野さんはバージン・ウィルスについて説明を始めた。
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