第2話 餃子デー
「今日なに食べたい?」
妻に訊かれて困ることトップ3には、まちがいなくこれが入る。だって思いつかないから。なんでもいい、が駄目なことはわかっているんだ。でも本当に思いつかないんだよ。
「餃子は?」
いいね。具の仕込みはぼくの担当。下味をつけた豚ひき肉に、みじん切りキャベツ。生姜どっさりニンニク少々。最後にきざんだニラを混ぜて、先生、お願いします。
「うむ」
うちの妻はノリがいい。「わが絶技、しかとその目に焼きつけよ!」なんて言いながら妻が餃子を包んでいる間に、ぼくは洗い物を片付ける。
「チーズあったっけ」
ないよ。
「ツナ缶は?」
ないね。もしかして具が足りなくなった? どうなさいます、先生。
「わが辞書に不可能の文字はない」
無事包みあがった餃子はフライパンで蒸し焼きに。最後にごま油を回しかけてカリッと仕上げる。妻は酢コショウ派、ぼくはポン酢派。
「うまーい!」
うん、おいし……あの先生、これ皮が二重なんですけど。
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