第10話
一体の竜と一匹の蜘蛛が飛び去った後の森の、その一角。
そこにはどこから現れたのか、大量の蜘蛛が集まっていた。その蜘蛛は、いわゆる鬼蜘蛛と呼ばれる魔物。
鬼蜘蛛たちは、その中でも一際大きな鬼蜘蛛を中心として話し合いを始めた。
「アノ蜘蛛ガ森ヲ出タ」
「ああ。今回は一週間以上も居座りやがって。……だが、やっと計画を実行できる。
「準備ハ、スデニ、オエテイマス」
大きな鬼蜘蛛以外はどこかたどたどしい喋り方ではあるが、そのまま順調に話し合いが進む。しかし、その中に、あの鬼蜘蛛が何処に行ったかを話題に出す者は居なかった。そして、共に森を出たはずの竜の事も話題には上がらなかった。
誰も寄り付かない様な異質な空間。それは、きっちり一時間後解散された。
後には、とたんに静かになった、今までと変わらない森の光景が残されていた。
森に住まうモノすら、蜘蛛の会議を目撃した者はいなかった。ただ不気味に森が
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この世界には、細かい島などを除き四つの大陸に分かれる。それぞれの大陸は、別に形が丸いわけではないが、配置だけで見れば犬や猫の肉球のような形に見えるらしい。
一番小さいものがすべての大陸と接している大陸。名前をウィッカ大陸という。ここは、人間族、獣人族、
全ての種族が満足に探索できない理由。それは、この大陸の濃すぎる魔力と、その影響で生まれた、強力な魔物が原因なんだそうだ。
次に、三つ並ぶような配置の一番右に位置するウィッカ大陸の2倍ほどの大きさのイスク大陸。ここは、主に魔族が住む大陸。全体的に濃い魔力が漂っており、特殊な生態系を築いているらしい。濃い魔力、と言う点ではウィッカ大陸と共通しているが、大陸の大きさの関係か、強力な魔物は生まれていない。それでも、ほかの大陸より強いらしいが。
そして、真ん中に来るのが、一番大きな大陸、シーチ大陸。人間族と獣人族が主に住む大陸だ。大きさとしては、ウィッカの2.5倍ほどになるのだとか。デカい。形が縦長のようになっていて、ウィッカとは上と下の二か所が繋がっている。あと、ウィッカ含む、全ての大陸と接している。魔力はそこまで多く漂ってはいないが、場所によっては局地的に魔力が多い場所もある。魔力の森がその一つらしい。通りで、アイリーンの様な魔物が生まれるわけだ。
最後の大陸が、
ほかにも多種多様の種族が居るが、大抵は様々な大陸で住処を見つけ、バラバラに暮らしている。
さて、今いるシーチ大陸の人間族領だが、基本的に四つの国がある。それぞれ、イクシア王国、エルハルム帝国、マルカスプル公国、ラゴラニア群衆国。この世界での公国は、公平国の略らしい。公平国らしく国のトップも一人ではなく、十人ほどいるのだとか。
群衆国は、特に何処の領地でもなかった場所に勝手に人が集まり作られた様々な村、都市、小国を、原初の六竜(主に火竜)が散らばりすぎて面倒くさいから、と言う理由で、国にしたのだとか。んな適当な……。
ちなみに群衆国のトップは、当時小国だったいくつかの国のまとめ役、計十二人を国の代表としているらしい。公平国より多いんだな。
そして、今向かっているネウルメタは、この中のエルハルム帝国領に属する都市である。エルハルム帝国はもともと、『強さこそすべて』という脳筋な考えの国であり、この防衛都市ネウルメタはその例に漏れず別名を冒険者の集会所と呼び、力を重要視する冒険者を重く見ている。また、冒険者に重宝されている都市なのだ。
そして、防衛都市と言う名前からも分かる通り、その手の役割のためにも冒険者を歓迎している。ちなみに、何から防衛するのかと言えば、ほかの国家から、と言う意味もなくは無いが、基本は、魔力の森の様々な魔物から、である。
そもそも、この都市から一番近いのは、イクシア王国の、しかも王都なのだ。基本的に攻めてくることは無いし、攻めに行く事もないらしい。
というか、そもそも出来ないと言うのが正しい。
一番の原因は間にまたがる広大な魔力の森。広すぎるし、魔物も弱くないので、とてもじゃないが、そんな事やる気になれないのだとか。
これらすべての話は、飛んでいる間にアイリーンに、ざっとで良いから、とお願いし説明してもらったのだが、その淀みない説明から、この子はかなりの努力をしてきたのだと再認識させられた。
森は、反対側もやはり広大で、あまり速度を出していなかったとはいえ、森を抜けるころには、説明が終わっていた。
そして、森を抜けたそこには、砂漠が広がっていた。
道の面影が残る場所は、草がほとんど生えておらず、多くの場所が砂にまみれた地面をむき出しにしていた。他の場所も木はほとんど生えておらず、日陰に申し訳程度の雑草が生えているだけで、目立つものは辺りにに打ち捨てるように転がっている大岩くらいであった。
そんなことを考察しているうちに、森を抜けた事に気が付いたアイリーンが声を掛けてきた。
「森を抜けた様ですね。このあたりは、障害物が少なく目立ちますので、そろそろ徒歩に切り替えた方が宜しいかと思います。竜が飛んでいると言う状況はどうしても目立ちますから」
「分かった」
まったくもってその通りだろうな。何せ、初めのころに射掛けられてるし。それにしても、この世界じゃ、これほど竜が敬われているのに何で射られたんだろうか? もう一度会えたらだが、シンシアあたりに聞いてみようか。アイリーンでも分かるかもしれないけど、魔物視点より、人間視点の方が良いだろうし。
取りあえず、言われたとおり適当に広い場所を身繕い、ゆっくり着地する。そして、アイリーンが下り切るのを見計らい、声を掛けた。
「さて、アイリーン。服を作る用意をしておいてくれ」
そう、服だ。今度は忘れないようにしないとな。
ちなみに、今の俺に羞恥心は無くは無いが、そこまででもない。と言うか、竜の姿でいる事がデフォで、その姿は真っ裸なのだ。恥ずかしがっていてはやってられない。ただ、死ぬ前の地球での感覚もそれなりにあるため、恥ずかしいと言うよりかは、何というかムズムズするのだ。
アイリーンは、俺の言葉にうなずいた後にそっと距離を取った。
それを確認し終わると同時に目を閉じ、幻人化(じんか)を発動する。光に包まれ、感覚がなくなり、光が薄れて、感覚が戻り、スムーズに人化が完了する。特に姿を想像した訳ではないので、説明にあった『以後、その姿を基本として使用する』と言う通り前回の姿になっているのだろう。
完了してすぐに俺に服が着させられた。
「お加減は如何でしょうか?」
目を開けると、目の前までアイリーンが近寄って来て、俺の調子を窺っていた。
「ああ、問題無い。ありがとう」
軽く体を動かして特に支障がない事を確認してから、そう伝えた。
周囲に特に生き物の気配がしない事を確かめた上で、またネウルメタを目指して歩き始める。
ネウルメタ自体は森の魔物からの防衛を主目的としているためか、あまり遠くない位置に存在していた。それでもそれなりに歩いたが。
「ようやく着きました。あちらに見える石の壁を含めた全てが、防衛都市ネウルメタになります」
そこにはそれなりの高さの、石でできた防壁と、その防壁の内側から伸びている都市の物見櫓と
正面には大きな門が備えられている。そこに馬車と思しき乗り物などが混じった長蛇の列があることから、身分証の確認の様な事を行っているのだろうと予想できる。
「ずいぶんと大きいな……」
当然王都の城壁の方が大きいのだが、王都の方は大きくて当然と思っていた。まあ、多少驚かなかったわけでもないが、あの時は正直、展開が速すぎてあまり大きさには目がいかなかったのだ。
しかし、今回は普通の都市。なのでその大きさは予想外であり、端が見えないほどの大きさの防壁のある様な都市や国は、地球では見た事が無かったので尚(なお)の事驚かされたのだ。
「しかし、身分を証明できるものなどないな……。どうやって入るか……」
「問題はありませんよ。大きいからこそ、簡単に侵入できるのです」
俺の独り言ににそう返事をして、こちらです、と誘導するようにアイリーンが先に歩き出した。聞こえてたのか……。声、そんなに大きかったかな?
取りあえずアイリーンについていく。向かったのは、入り口の門から逸れたあまり
「こちらからなら、警備も薄く、人通りも少ないので軽く気配を探れば誰にも見つからずに入れます」
防壁の上を指さして、なんでもない事のように言い放つ。
いや、それ、密入国……。
それよりも、この際だから密入国の件は置いておいて、この姿では飛べるかわからないと言うのにどうやって侵入するのだろうか。
「ここからどうやって入るのだ?」
「跳びます、ジャンプです」
……まじか。この高さをジャンプで越せるのか? そりゃアイリーンは魔物だし、いけなくはないのかもだけど。……俺も、竜か。
「大丈夫です。カース様なら問題なく越せるはずです」
どうやら、不安な気持ちが顔に出ていたのか、アイリーンがフォローをしてきた。
問題ないとはいうが、さっきまで歩いてきた感じだと、この人間の姿は地球の頃の人間であったときと大差ない気がする。そりゃそうか、流石にインドア派な俺よりは上等な運動能力だわな。
「本当に大丈夫なのか? この身体にそれほどの力がある様には思えないのだが……」
「はい、問題ありません。力があるように感じないのは、無意識に力を抑えているからかと思います。私もそうでしたが、その体で常時もともとの力を使っているとするなら、ただ歩くだけで地面に足跡を付けながら、一般人が走るよりも早く進んでしまうでしょう。ですが、意識して力を行使すれば、そのようなことにはならないはずです」
何というか、
ともかく、いつまでも話していても仕方が無いし、行けると言うのなら行く事にする。
「……そうか。なら、取りあえず行ってみるか」
「そうですね。では、まず私から行きますから、付いて来ていただいてもよろしいですか?」
お手本か。コレは、有り難い。ここは素直に従おう。
「頼んだ」
「では、行きます」
俺が頼むと、軽く返事をして、トン、と言う音を残して、アイリーンの姿が消えた。
「へ?」
思わず間の抜けた声が漏れる。
「こちらです」
上の方から声がした。速いな、全く目で追えなかったぞ。
音の出所を見てみると、どうやってか壁に張り付いたアイリーンがこちらを見下ろしていた。あと、一、二歩で壁を越えられる位置だ。ふむ、スカートだったら中が丸見えだな。まあ、短パンだけど。
「私が、防壁の向こうを確認してまいります。特に問題が無ければ、合図を出しますので、カース様は一息に越えてきてください」
「分かった」
俺の返事を聞くと、アイリーンは外套を、顔がある程度隠れるまで被り直し壁の向こうへ消えて行った。やはり角は隠さないとまずいのだろう。
さてさて、一息で、か……。どのくらい力を入れればいいのだろう……。取りあえず、何かあった時のため、というか、力加減を間違えた時のために外套は、顔が隠れるまでしっかりと被っておこう。
そのまま適当に考え事をしながら一、二分ほど時間を潰していると、視界を白い何かが掠めた。
「ん? 何だ?」
軽く顔を上げて正体を見ると、アイリーンが吐いていたような糸が壁の向こう側から垂れてきていて、目の前で踊っていた。奇妙な揺れ方をしている。元は細い糸だったはずなのだが、どうやら束ねてそこそこの太さにしているらしい。
何とも、これが合図なのか判断し
すると、徐々に糸が何かの形を作り始めた。面白そうなのでしばらく見守っていると、糸は上向きの大きめな矢印を描いた。
ふむ、コレは完全に来ても良いと言う合図だな。
にしても器用だ。鬼蜘蛛ってみんなこんなことが出来るのか? ……いやいや、さすがにおかしいだろう。案外、何かしら魔法みたいなものを使っているのかもしれないな。明らかに器用過ぎる。
何せ、考え事をしていたらその存在を主張するように、矢印がアニメか漫画のごとく、コミカルにくねくねしながら跳ねだしたのだ。未だに、糸は壁の向こうと繋がっているし、その糸が偶に上に引っ張られているので、アイリーンがこれを操っているのは間違いない。
そういえば、アイリーンを竜眼で見ていなかった。向こうに言ったらちょっと見せてもらおう。
さて、いつまでも待たせている訳にはいかない。
徐々に矢印の動きが派手になってきているしな。まあ、コレはこれで見ていたい気もするが。
「よし、行くか」
自分のタイミングを計る的な意味合いで独り言を呟き、糸をなぞるように壁を超えるイメージで地を蹴り上げる。
先ほどは色々考えてみたが、どうあがいてもこの壁を超える力の加減なんぞ知らない。なので、取りあえず、超えると言う意思をもってジャンプをしてみた。
結果は成功。
タンッ、という軽快な音と共に、無事程よい力加減で壁を超える事に成功した。
そのまま、華麗に壁を通り越しあまり音をたてないようにふわりと着地する。
「お見事です。お美しい跳躍でした」
着地した先には計算したかのように、アイリーンが目の前に立っていた。
「うむ。無事成功して何よりだ。案外簡単だったな」
とりあえず、ジャンプしてみて思った事を言っておく。実際簡単だったのだ。個人的には、力の入れ過ぎで暴発的な未来を予想していた。
「そうですね。結局は自分の力ですから、制御できない方が
それもそうだな。
そんな事よりも、先ほどの糸である。地味に気になる。
「なあ、アイリーン。さっきの糸は、アイリーンがやったのだよな?」
「そうですが……何か問題でもありましたか?」
アイリーンが、糸を回収しながら聞いてくる。それ、回収するんだな……。何に使う気だろう?
「ああ、いや特に問題はない。ただ、動きが気になっただけだ。どうやって動かしていたのかがな」
「なるほど、動きですか。あれは、服を作る時の感覚で動かしていただけなのですが、変だったでしょうか?」
「いや? あの動きはなかなか面白かったぞ。ただ、ほかの鬼蜘蛛はあのような事は出来ないだろう?」
もしできたら嫌だなぁ……。強さ的な意味でも絵面的な意味でも。
「面白かった、ですか。よかったです。あの踊り、私の渾身の出来なんですよ。あ、私以外の鬼蜘蛛ですよね。確かにあのように細かい動きは出来なかったかと思います。恐らく、矢印すら形作れないかと」
俺が、面白かったと褒めたのが嬉しかったのか、ちょっと弾んだ声で教えてくれた。
やっぱりそうか。出来ないよな、あんな事。
「すまないが、竜眼でアイリーンを見させてもらえないか?」
と言う事で、直接許可を求めてみた。別に勝手に見ても良いんだが、仲間だしな。親しき仲にも礼儀あり……とはちょっと違うかもしれないが、つまりは、まあ、そういう事だ。
「おや? まだ見ていなかったのですね。てっきり、仲間として認めて頂いた時にでもご確認なさっていたのかと思っておりました。どうぞ、カース様のお求めのままにご覧ください」
「分かった、失礼する」
OKを貰えたので、竜眼を使いアイリーンを見る。視界に文字が浮かび上がってきた。
~~~~~~~~~~
個体名:アイリーン
年齢:5歳
種族:
性別:雌
系統:元種族長
スキル;糸魔術・爪術・魔力感知
特殊:灰竜の配下・灰竜の加護・種族長の知識・
~~~~~~~~~~
ほう。やっぱり、あの変幻自在の糸は魔法だったか。名前からするに固有魔法か。でも、魔法でも魔導でもなくて、『魔術』か。まあ、詳しく見る必要はないだろう。多分、魔法よりも下の物か、魔法と魔導の間だ。後は、魔物の使う魔法と言う可能性もあるか。いずれにせよ、俺にこれと言って関係は無い。
あとは、爪術……名前から察するに自分の爪を武器にする格闘術って所か。
というか、まだ5歳なのか。生まれてからって事なのかな?魔物特有の歳の数え方とかは、この様子だとなさそうだ。
それと、種族。鬼蜘蛛じゃなくて、
まあ、これについては今考えても答えは出てこなさそうだな。
そういえば、灰竜の配下やら、加護やらがあるけど、灰竜って俺の事なのか? 確か、シンシアの時は、火竜の加護ってあったし、アイリーンにかかわった竜って俺だけだから多分そうだよな。
ほかの連中が、火竜だとか鋼竜だとかの自身が司っている、物とか現象の分かりやすい名前なのに俺は、色だけなのか。幻魔導があるのに『
それと、グルメ? ってのがあるな。……気にしないでも良いのか? 魔物でグルメって、人は食わないとかかな? でも、ただのグルメじゃなくて
っと、そろそろ見た結果をアイリーンに教えるか。
「アイリーン。ありがとう、分かったよ。どうやら、糸魔術と言う固有魔法みたいだ」
「固有魔法……それも魔術ですか」
自身が固有魔法の糸魔術を持っていると告げられたアイリーンは、困惑しながらも何処か嬉しそうだった。
「固有魔法の魔術だと何か良いことでもあるのか?」
「良いこと、と言っていいのかは分かりませんが、私がカース様のお役に立てそうで安心は致しました。魔物で固有魔法を扱える者は少ないですし、魔術と言うのは人間族で言う上級者なので」
おや? 予想を超えて、上級者と来たか。
「そうか、ぜひ頑張ってくれ。まだ、分からない事も多いしな。ついでに聞くが、人間で言う中級者は何になるのだ?」
「中級者は、上級魔法だったはずです」
ややこしいな。名前の上では上級なんだな。
「因みに魔導はどのくらいに当たる?」
「はい。魔導は最上位ですね。主に竜様の扱う魔法となっております。カース様も扱える魔法は魔導となっているかと思います」
「そうだな。私は、幻魔導となっていた」
「幻魔導……。カース様も固有魔法を扱うのですね。いったい何が私とカース様に共通するのかと思っておりましたが、どうやら固有魔法だったみたいですね」
そういえば、類友なら、共通点が必要だったもんな。なるほど、固有魔法か。なら、今後も固有魔法持ちが集まるのかな? まあ、分かったからなんだって話だけど。
「他に思いつかないし、そうなのかもな。さて、色々分かったことだし、そろそろ町の中に行きたいのだが」
「そうですね。いつまでもここにいるわけにはいきませんし、込み入った話なら、街中でもできるでしょう」
そうなのだ。あまり気にしていなかったが、現在地はどこかの路地裏。
人通りが全くないのではあるが、もし、偶然ここを誰かが見掛けてしまえば通報不可避である。何せ、外套を頭からすっぽりかぶった如何にも怪しい二人組がこそこそ話をしているのだ。誰だって通報する。俺だって通報するだろう。
なので、そろそろ移動しておきたい。と言うか町の中を見てみたい。ジャンプした時に見れればよかったのだが、壁越えに意識を向けすぎてでそんな所ではなかった。
とりあえず、見えている建物は白い石造りの建物。ヨーロッパっぽい。ありがちだな、ワクワクするぜ。
「と言う訳だ。どこか行きたいところはあるか? 私はこの町に詳しくないからな。まずは、アイリーンの行きたいところに行こう」
と言う事でアイリーンに聞いたわけなのだが、アイリーンが返事を返す前に、
ぐー
……腹の音だった。
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