第626話 準備完了
「くそぉっ!こいつもう学習しやがったっ!」
全身に魔力を込め、うっすらと光輝きながら康生は敵の攻撃を回避する。
作戦が決まり、全ての力を出し切りって全力で攻撃を仕掛けていた。
最初は新たな力に敵は押され、攻撃をしっかり入れることが出来ていた。
しかしそれも最初だけで、攻撃を仕掛けていくうちに段々と敵は動きを覚え成長していっていた。
今や、全力の康生と互角の力で戦っていた。
「くそっ!もうあまり時間がないってのに!これ以上の力は無理だぞっ!」
これ以上成長されたら、今の康生ですら太刀打ちが出来なくなる。
しかも作戦のために最低限の力は残しておかなければいけない。
それもあってこれ以上戦闘が長引くことに康生は若干の恐怖を覚えていた。
「頼む!皆早くっ!」
人型の生物と戦いながら、康生は願う。
『――お待たせしました英雄様!準備完了しました!』
するとそんな康生の願いが通じたのか、上代琉生が作戦の開始の合図を出してくる。
「よしっ!すぐに頼むっ!」
無線をもらった康生はすぐさま指示を出す。
その直後に人型の生物の攻撃を回避、そして自身の魔力を高濃度に圧縮し僅かな爆発を起こして人型の生物から僅かに距離をとる。
「頼むっ!」
『はいっ!』
直後、上代琉生の指示で空中に巨大な何かが浮かび上がる。
「おらっ!これでとっとと終わらせやがれっ!」
「頼んだぞ康生っ!」
「しくじったら承知しないからなっ!」
浮かび上がってきた装置の下にはザグやリナさん、時雨さん達を始めそれぞれの国の兵士達が空を飛べる装置を纏って装置を持ち上げていた。
「ありがとうっ!」
康生は浮かんできた装置の元へと瞬時に移動しようとする。
『油断は禁物ですよ』
だが直後AIの忠告を受ける。
「分かってるっ」
しかし康生はAIの忠告か聞こえるのと同時に、体を横にずらす。
その瞬間、康生の真横に飛んでもない突風が吹き荒れ、それはそのまま地面をえぐり取ってしまう。
「ほらっ!餌だよっ!」
ただ回避するだけでは敵はさらに攻撃を仕掛けてくる。
だからこそ康生は敵に向かって手を向けて光何かを放つ。
すると人型の生物は真っ先にその光る物に飛びつく。
「やっぱり魔力は無視出来ないよなっ」
人型の生物の注意を引きつけるために魔力を飛ばした康生はその隙に装置を受け取る。
「使い方はもう大丈夫ですよねっ!」
「あぁ、大丈夫だっ」
受け取ると同時にメルンから確認されるが康生はすぐに頷く。
そして康生は装置を腕に構えて敵に向ける。
「さぁ、そろそろ終わりにしようかっ!」
そうして康生は最後の力を振り絞るのだった。
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