第580話 対処
「全力でかかってこいっ!」
とうとう異世界人の国王自らが動きだし、そして人間達も武装解除を発動して一斉に康生へと襲いかかってくる。
しかし康生は両陣営の動きを把握しながらも、笑みをこぼして攻撃を待ち受ける。
「くそっ!今にその余裕の表情を崩してやるっ!」
康生の態度を見た国王は一層怒りの表情を浮かべて康生を睨む。
「死ねっ!」
そして国王が一斉に攻撃を繰り出す。
まず先頭きっと出陣した国王は巨大な斧のようなものを振り回して康生へと突撃していく。
しかも斧を一振りする度に周囲に風の刃が吹き荒れ、それをなぞるように火が飛び散る。
近づくだけでも致命傷を受けてしまうほどの橋さだった。
恐らく永続的に魔法を発動し続ければ、魔法は打ち消されないと思ったのだろう。
国王はその勢いのまま真っ直ぐ康生へと突撃していった。
「おらおらおらおらっ!」
そして国王の読み通り、永続的に魔法を発動し続ければ康生は魔法を打ち消すことは出来ない。
魔力量が膨大な王族だからこそ出来る処遇だった。
「奴等に先をこさせるなっ!奴は我々の手で倒す!」
しかし人間達はそんな国王の突貫攻撃を見て、負け時と康生へと向かっていく。
ここまでこけにされ、さらに一度敗北したこともあって康生に対して相当な恨みを募らせているようだった。
武装解除をしたことによって身体能力が大幅に強化され、速度も上昇した。
さらに今は魔法も加わってかなりのものとなっていた。
「いくぞっ!」
人間側からまず先頭をきって出てきたのは隊長クラスの人のようで、こちらは周囲に雷を発生させながら槍を振り回している。
一回槍をつくごとに高速のスピードで槍が放たれ、同時に雷が一直線に飛んでいく。
しかも空中の中でそいつは素早い動きで動き回っているせいで回避することも難しい。
前後から強力な敵が迫ってくる中、康生はじっと状況を把握しながらゆっくりと体を動かす。
「「死ねっ!」」
もはやほとんど同時に人間と異世界人からの攻撃が繰り出される。
しかし康生は回避することもせずに真っ直ぐ両手をあげる。
「ぐっ!」
康生は異世界人の斧を両手でつかんで攻撃を止めた。
しかし斧を止めるのに両手を使ったせいで背後からから迫ってくる槍の攻撃に対処できずにいた。
「これで終わりだぁっ!」
隙をついての攻撃が繰り出される。
「ふんっ!」
しかし康生は槍が突かれる一瞬の隙に体勢をずらし高速の槍を回避する。
しかも瞬時に異世界人を吹き飛ばしながら、よけた槍を掴んでさらに吹き飛ばしてしまう。
「さぁっ!どんどん来いっ!」
強力な攻撃を一瞬で対処した康生はさらなる攻撃を待ち望みにするように高らかに叫ぶのだった。
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