第569話 場所
『康生っ!こっちは突破されたぞ!』
リナさん達の陣営が崩れ、人間達の進行を許してしまったことでリナさんはすぐに康生に報告した。
「分かりました!こちらもすでに準備が出来ているので大丈夫です!けが人を休ませつつ、リナさん達はすぐに移動して下さい!」
『分かってる。そっちが大丈夫なら安心した』
リナさんはそれだけ言うと無線をきってしまう。
「とうとう抜けられたみたいじゃな」
「えぇ、そうみたいね」
無線を聞いてたエルとリリスはそれぞれ緊張した様子で康生を見る。
「大丈夫。今のところ作戦に支障はない」
全ては皆で決めた作戦通りにことは運んでいる。
残りの問題は上代琉生達の部隊の動きだが。
『英雄様!こちらも問題なしです!もうまもなく異世界人は合流するでしょう!』
「よし、分かった」
丁度心配していたタイミングで奈々枝から報告が入り康生は安心する。
『隊長の今のところ問題はないようだから安心してっ』
「あぁ、分かった。じゃあ奈々枝達もすぐにこっちに向かってくれ」
『了解ですっ』
異世界人達も無事作戦通りに動いてくれたということで康生はひとまず安心する。
そして康生達はいよいよ出番が来るということで気合いを入れる。
「作戦はもう頭に入ってるよな?」
「あぁ、勿論じゃ」
「うんっ、任せて」
それぞれ三人はお互い最後に作戦の内容を確認しあう。
そうして最終局面への準備のため、それぞれが準備を始める。
『康生。人間達はおよそ五分後に到着予定だ』
『異世界人側もおそらく同じ時間に到着する予定です』
リナさんと奈々枝から同時に報告が入る。
それぞれの陣営のタイミングがあったことに康生はわずかに安心する。
「分かった。上代琉生はどうだ?順調に進んでいるか?」
それぞれの状況を確認するため、康生は上代琉生に無線をつなげる。
『異常はないです。なのでこのまま作戦の実行をお願いしますね英雄様』
「あぁ、分かってる。お前も頼むな」
『分かってますよ』
そうして皆の現状を把握した康生は一度深呼吸して心を落ち着かせる。
「それじゃあ皆今度こそ最後の戦いだ。絶対に作戦を成功させるぞ」
無線を通して味方全体に呼びかけた。
「この先に異世界人共がいるのだなっ!」
「はい!先ほどの信号弾は確かにこっちの方向から放たれたものです!」
「よし!なら急げ!奴等の邪魔が入らぬようすぐに移動しろっ!」
そんな国王の命令を聞き、兵士達はさらに足を進めていく。
「本当にこちらに裏切り者共はいるのだな?」
「えぇ。あの信号弾の元で待っているようです」
人間達とは反対側。
そこでは異世界人達が集まっており、進行を進めていた。
お互い目指す場所はただ一つ。
康生達が待つ場所へ。
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