第233話 朝まで

「…………」

 すやすやと眠る康生を慎重に運ぶ、時雨さんとリナさん。

 二人共、先ほどエルに言われた言葉が胸に刺さっているようで、どこか浮かない顔を浮かべていた。

 浮かない表情の理由は二人は気づいていない。だが、エルに言われてそうなっているということは十中八九そうに決まっているのだ。

「――康生はどう思っているのだろうな」

 そんな中、時雨さんとふと声を漏らすように呟いた。

「どう思っているとは?」

 時雨さんの抽象的な言葉にリナさんは思わず聞き返す。

「いや。康生はエルのことを、私達のことをどう思っているだろうな、と」

「…………」

 時雨さんの言葉を受け、リナさんも同時に康生の顔へ視線を落とす。

 すやすやと安らかに眠るその表情は、まさに幼い子供のようでとても愛嬌があった。

 いつもは一人で背伸びしようと頑張っている康生と比べて、年相応の表情を見て二人はそれぞれ色んな思いを巡らせる。

「康生は、きっと私達のことなど見ていないのだ」

 そんなリナさんは康生から視線をそらし、小さく不満をもらすように呟く。

「そうだろうな。恐らく本人は見ていると答えるだろうが、その実、康生は私達のことをしっかり見てくれていない。いや、見ようとしていないんだろうな」

 二人は同じような考えで康生を観察していた。

 康生はいつも一人で解決しようとする。いつも一人で行動を起こそうとしてしまう。

 そんな落とす。

 すやすやと安らかに眠るその表情は、まさに幼い子供のようでとても愛嬌があった。

 いつもは一人で背伸びしようと頑張っている康生と比べて、年相応の表情を見て二人はそれぞれ色んな思いを巡らせる。

「康生は、きっと私達のことなど見ていないのだ」

 そんなリナさんは康生から視線をそらし、小さく不満をもらすように呟く。

「そうだろうな。恐らく本人は見ていると答えるだろうが、その実、康生は私達のことをしっかり見てくれていない。いや、見ようとしていないんだろうな」

 二人は同じような考えで康生を観察していた。

 康生はいつも一人で解決しようとする。いつも一人で行動を起こそうとしてしまう。

 そんなんを誘う。

「それはいいですね」

 当然時雨さんは断るわけがなく、二つ返事で答える。

 なにせ今日一日は休暇なのだ。

 だったら明日になるまで休んでいても構わない。

 そんなことを思いながら、二人は康生を病室まで運ぶと二人で朝まで語り合ったようだ。

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