第4日目 兄ちゃんとショッピング
”今日は〜どこ行こうかなぁ〜♪あそこもいいな、こっちもいいな♪どこにしようかな〜♪”
”ふふっなにそれw変な歌w”
”んー?そんなに変か?俺が今、即興で作った歌だけど…”
”変変!!変だよwだいたい音階があってないしw”
”そっかwんじゃあ歌は止めにしてっと、さてどこ行くか?空美、行きたいところあるか?”
”えっ?うーん。特にないよ?昨日と一昨日私の行きたいところ連れてって貰ったし。今日は兄ちゃんの行きたいところに行こうよ。”
”うーん、俺の行きたいところか…えっと、あっ!じゃあ あそこに行こう!”
”そうと決まれば、車出すから玄関で待っててくれ。”
どこへ行くかも告げられないまま、私は兄ちゃんの車に乗り込んだ。
はて、今日はどこに行くんだろう。
車を運転してる兄ちゃんは、久しぶりに見た。
片手を窓のところにかけ、小さく鼻歌を歌っている。
あぁやっぱかっこいいなぁ。いつもの兄ちゃんもかっこいいけど、運転している兄ちゃんは数倍かっこいい。
《いらっしゃいませぇ。》
私と兄ちゃんは近所の大型ショッピングモールへやってきた。
”へー兄ちゃんの行きたいところってここなんだ!なんか意外w兄ちゃんって、こういうお洒落な所来るんだねw”
”たまにな、服とか買いに来るんだ。それにほらここ大きいから色んなお店入ってるんだぞ?”
そう言って兄ちゃんはお店のパンフレット?みたいな地図が書かれた紙を見せてくれた。
ここ、風の街ショッピングモールは3つのエリアに別れているようだ。
まずは今、私たちのいる[
次に黄昏界の隣にある[
そして1番遠くにある[
”うわっヤバっ凄っ!なにここ!?広すぎでしよ!なに?3つのエリア?すっごい!!!”
”だろ?実は俺も来たことあるけど全て周りきれた訳ではないんだ。だから今日は空美の好きなところについて行って新しい発見出来たらな〜って思って。どうだ?ここでいいか?”
”全然いいよ!むしろ、連れてきてくれてありがとう!じゃあまずは〜どこにしようかな。”
”あっそうだ。空美、喉乾いてるだろ?ここのコーヒーショップ行ってみないか?俺のオススメだ。確か今は、チョコレート増量中だったはずだぞ?”
”チョコ?!行きたい!チョコ飲みたい!”
”ははっwじゃあ決まりだな”
「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
”兄ちゃん!私チョコのね!”
”りょーかいw”
「えっと、このフラペチーノ?をチョコ増量にいて下さい。」
「かしこまりました。ご注文は以上でよろしいですか?」
「あーっと、えっとそのチョコのケーキもひとつお願いします。」
「かしこまりました。フラペチーノチョコ増量おひとつとチョコケーキおひとつでよろしいですか?お値段1200円です。お支払いは、現金でよろしいですか?」
「あっはい。これでお願いします。」
「1200円ちょうど頂戴致します。 レシートのお返しです。あちらのテーブルにご注文の品が出てきます。レシートをかざして頂くと、扉が開き、商品が取れる仕組みとなっておりますのでレシートをお持ちの上、お待ちください。」
”えっーと?レシートをかざして?んっ?おおっ!ほんとに出てきた!!!”
”うわぁぁすっごい!!!”
”兄ちゃんありがとう!これ、すごい美味しいよ!”
”よかった。”
”あっそうそう、兄ちゃんは何買ったの?”
”ん?俺か?俺は…ほら。ケーキだ。結構美味いぞ?甘さ控えめだ。”
”もーらいっ”
”あっちょ!空美!”
”へへへっいただき!んー美味しい!これ美味しいね!”
”そうか?ふっいいよそれ、空美にあげる。”
”いいの兄ちゃん?!やったー!ありがとう!”
兄ちゃんに買ってもらったフラペチーノを片手にスキップを踏みながら歩き出した。
”空美!前見ろよ!危ないぞ!?”
”大丈夫だよー平気だもーん”
”うわっ!?”
ドッシーン
”アイタタタッ”
目の前に突然現れた何かに驚き、つまづいてしまった。
”空美?!大丈夫か?!”
”へーきへーきwちょっとコケただけだもんw”
起き上がり、目の前の物体を見上げると…
”あれ?クリスマスツリー?えっ?なんで?なんか早くない?”
”ねぇ兄ちゃんなんかおかしくない?ハロウィンもまだだよね?”
そう言って兄ちゃんの方を向くと、何故か兄ちゃんは焦った表情をしていた。
”あーなぁ?なんでかなぁ?ハロウィンもまだなのになぁ。あれじゃないか?店だから先取りしてるとか!多分それだよ。うんうん、それそれ。それだよ。な?これは気にせずに買い物楽しもう?さぁ次はどこに行きたいんだ?”
そう言って兄ちゃんはクリスマスツリーを背にし、私に地図を手渡した。
クリスマスツリーはちょうど私の背くらいの大きさ。
私より20cm背の大きい兄ちゃんの後ろに隠れ、クリスマスツリーは完全に見えなくなってしまった。
”にぃちゃん…?”
”ん?ほら、次はどこ行きたいんだ?選べよ。”
口調はいつも通りだけど目が笑って無い。
何だか怖い。
”あっとね、えっとあっ!タムタムのショップがある!ここっ!ここ行きたい!”
”そこだな。よしっ行くか!”
あ、よかった。兄ちゃん笑ってくれた。
いつもの兄ちゃんだ。
怖い兄ちゃんじゃない。
よかった。
”タムタムー!!!”
兄ちゃんの連れてきてくれたタムタムショップはとても品揃えが良かった。
ハンカチや、お茶碗といった日用品から限定品のキーホルダーまでタムタムの商品があった。
”やばいやばい!可愛い!”
”空美はどれが欲しいんだ?どれでも買ってやるぞ?”
”えっほんと?”
”あぁ”
じっと兄ちゃんの目を見つめた。
”ん?空美?どうした?”
怒っている目じゃ無い。やった、ほんとにほんとだ。兄ちゃん優しいなぁ。
”じゃあね、これっ!このコップと筆箱、あとあのスマホケースが欲しい!”
”んと、コレとコレとあとアレか。んーこれだけでいいのか?遠慮しないでいいんだぞ?”
”ううん、もう十分だよ。昨日兄ちゃんにタムタム取ってもらったばっかだしね。”
”そっか。じゃあ買ってくるな。空美はそこで待っててくれ。”
”うん!ありがとう兄ちゃん!”
”うわぁ〜めっちゃ買っちゃったなぁ。ありがとうね、兄ちゃん!”
”どういたしまして。空美、今日楽しかったか?”
”うんっ!とっても楽しかったよ。”
”よかった。それが聞ければ俺はもう十分だよ。
じゃあ帰ろうか。”
”うん!”
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