青春的告白

「話があるんだけど、放課後来てくれる?」

「あ、うん。どこに行けばいい?」

「3階の…、講義室」

「分かった」


私はコートを着てマフラーを巻いて、帰るところだった。が、急な呼び出しがかかった。バス逃すことになるけどそんな急いでないし、いいか。


階段を上り、階段へ。礼儀程度にトイレで前髪を整えリップクリームをつける。


これって、あれだよね、そう、青春的な呼び出しってやつ。


三階に行くと、向こうから彼が歩いてくる。約束の講義室の前。吹奏楽部の音もまだ聞こえて来ず、しんとした雰囲気にちょっと緊張する。


電気だけついた誰もいない講義室。ふたりで入る。


……無言


「……話っていうのは?」

察しはついているのに急かしているようでちょっと反省。


……無言


「あの、…僕は、ずっと……1年生の時の…(ボソボソ)嬉しかったし…(ボソボソ)……

……好きです」


「そんなふうに思っててくれたんだ」


……


「……もし、よかったら。僕と付き合ってください」




※このまま書くとハッピーエンドでもなんでもない日記になってしまうので続きはご想像にお任せします。


スマホで簡単に連絡が取れる時代に、直接、呼び出しでっていうのはなんかいいですよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る