モテ期到来!?
私は創作界でもリアルな友達の前でもこんな高慢なことは言いません。この話は「JK徒然草」のこのエピソードを読んでくださった方だけへの限定秘話です。
高校に入ってからというもの告白される回数は増えた。
コミュ障だし、声も小さくて陰キャ寄りだけど、
女子力と優しさには自信がある。
他クラス、中学校の同級生、中学校の頃の元彼、
たぶんクラスのコミュ力高くて可愛い女子にも、この1年半で告白された回数だけなら勝てるかもしれない、なんて。笑
でも私は、「好きじゃない人とは付き合わない」ポリシーがある。恋人はアクセサリーでもオモチャでもない。間違った付き合い方をすると相手をひどく傷つけることになるだろうから。高校入ってから今まで誰とも付き合ったことがない、というのはそうゆう意味だ。
そして今も、他クラスにファンがいるらしい。(「私のことが好きな人」というと仰々しいのでファンと呼ぶことにする)
その人は見た目の割に、料理の得意な男の子だ。時々お菓子を作ってラッピングして持ってきて、私にくれるために廊下の前で待ってたりする。それもクッキーとかじゃなくてマカロンを。悔しいけどそれがまた美味しいんだぁ。
私の誕生日は修学旅行の前日で忙しい時期だったのもあって、学校の友達にはほとんど誰にも何も言われなかったし気づかれなかった。
でも彼は覚えててくれた。
何日か後ではあったけれど、修学旅行先のホテルでプレゼントがあるとLINEが来て、夜にロビーへ呼び出された。「あ、これは……」と思って、礼儀程度に汗を拭いて髪を結び直して1階まで降りると彼は待っていた。
「遅くなっちゃったけど、誕生日おめでとう」
そう言って渡されたのは、現地の雑貨屋で売っている髪飾りと、私の名前のイニシャルが入ったキーホルダーだった。
「ありがとう!いいねこれ、可愛いじゃん!」
私は喜ぶ
「渡せて良かった」
「…じゃあ、おやすみ(?)」
「ごきげんよう」
お互いに部屋へ帰る。何もないのか。告白されるなら絶好のタイミングだったのになぁ。
まぁ修学旅行中に失恋させてしまっては嫌な思い出になってしまうから、その場合は後日改めて返事を出す予定だった。
考えすぎだったんかなぁ。ただの友達として仲良くしてくれているだけかもなぁ。
と思った。どちらでも困らないからいいけど。
ところがこれは昨日のこと。天気予報で雪が降るとか降らないとか言ってるこの時期。寒い中バスを待っていると、先にバスが来たらしい彼が通りすがりに私に声をかけて行った。
「カゼ早く治してね」
「ありがと」と私は答えた。
「会えないと寂しいから」
彼は手を振ってバスに乗って行った。
「会えないと寂しいから」
なんて、意味深な。
ある程度女慣れしてる人の言葉とは違う重みを感じた。やっぱりこの人は…。
こんな一連の流れを、私が去年好きだった人とその彼女に見られていた。
はぁ……なんで、
こんなこと言っちゃいけないけれど、なんであの人じゃなくて彼なの。
いつだって、私が好きな人は、私にはちっとも関心ないらしい。
告白の回数なんていらないから、
心から大好きな人と両想いになってみたいものだ。
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