第46話 雫

暗い夜が開けて空は燃えた。山々の梢までくっきり映える。大気は冴えた。秋草に垂れる雫を覗けば、名前も知らない枯れた草々が凝縮されて、渦を巻くように写し出される。使えるかどうか分からない古いインスタントカメラ。慎重に構えて、シャッターを切る。最後の一枚。雫は夢を見るように眠っている。

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