第10話 癒やしの闇

僕は窓を開けて外気を吸った。僕の知らない空気の味がした。体の中が少し冷えた。窓に寄り掛かって静かな闇を見ていると、もう頭が空っぽだった。目を閉じて、今日のことも昨日のことも忘れた。明日が来ることさえも忘れてしまって、僕は時計の音も聞こえない闇の中で、ただ心を癒やした。

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