第31話 ちょっとした愛?

 未咲「玲香ちゃーんっ、これあげる!」

 玲香「な、何よこれ」

 未咲「チョコレートアイスクリームだよ」

 玲香「いらないわよ、こんなに寒いのに」

 未咲「えー、わたしが丹精こめてつくったのにいらないの?

    罰あたりだなぁ、玲香ちゃんは……ふんだ、わたしもう知らない!」

 玲香「ちょっと、どこ行くのよ未咲! もうすぐ授業始まるわよ!」

 未咲「いいもーん!」


 言うこと聞かない小学生じゃあるまいし、そんなことは許されるわけもなく。


 うみ「捕まえてきたぞ」

 未咲「やめてよ、うみちゃん! いま、わたしの愛が暴走してるんだから!」

 うみ「いい加減にしろ、未咲! こいつとは唯の幼馴染なんだろ?」

 未咲「たしかにそうだけどぉ……うぅ……」


 なんとも言えない、といった感じだった。

 ただ、あげるものに関してはもうちょっと考えたほうがいい。


 未咲「もういいよ。じゃあうみちゃん、これ受け取ってくれる?

    受け取ってくれないと、わたしのおしっこ混ぜちゃうよ?」

 うみ「は?」


 思わず目が点になった。

 ていうか、そんなことしたら溶けるだろ。馬っ鹿じゃないの。


 春泉「はいはーい! ハルミ、それほしい!」

 未咲「よかったー。もう、みんな冷たいんだから……」


 アイスだけになのか、この世界のことなのか、いまいち判別がつかない。

 ……すまん、どっちでもなかった。


 うみ「おーい、みんな席に着けよー。

    ってかこういうのって、学級委員長の未咲の役目なんじゃ……」


 溜息しか出ない、2月14日の出来事だった。




 ※作者より

  一日ほど遅ればせながら、バレンタイン回です。

  こんな出来になってしまってごめんなさい。ほぼ毎度のことですが。

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