第24話 あったかすぎるんだよな

 うみ「なぁみんな、この世界って意外とあったかいと思わないか?」

 四人「えっ?」


 うみが、唐突にそんなことを言い出した。


 うみ「なんていうか、その……アレ以外にはとくに大変なこと起こんなくてさ、

    平和っていうかさ、最近そんなことを考えてたんだよ」


 確かに言われてみれば、そんな気もする。


 うみ「あったかすぎるんだよな、あたしみたいなやつにしてみればさ」


 深い意味までははかりかねるけど、うみちゃんにとってはそうなのかも。

 そう言いながら取り出したのは、一本のペットボトル。


 うみ「例えばさ、この中にありったけの夏が詰まっているとするだろ」


 何か始まった。


 うみ「想像するんだよ。もし常夏がここにあるなら何色か、みたいな」


 意外とロマンチックなところがあるのかもしれない。

 四人は聞いていくうちに、そんなことを考えるようになっていた。


 うみ「……いまの話、あしたにはきれいさっぱり忘れてくれよ?

    って言ったところで、誰かさんは覚えてそうだけど」

 未咲「うんっ、絶対忘れるね!」

 春泉「ハルミも!」


 だめだこいつら、早くなんとかしないと……。

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