第19話 美しい光がそこにあるとして

 黄金色に輝く美しい光が照らす先には、何があるのだろう――


 ひとりの少女が、旅に出ようとしていた。

 行き先も知らないで、ただ歩いてみようと足を進めていく。


 雪の白さが、まるで行く末を冷やすかのような色をしてそこに立っている。

 いまいる街は透明で、人々までどこか乾燥しているみたいだった。


 少女は夢を見ていた。

 そしてそれは淡くて溶けてしまいそうな、降り始めの雪みたいに消えていった。


 時計の針は、五時を差している。いよいよ夜明けが近づいてきたようだ。

 少女は前を向き、再び歩きだす。


 途中、休憩をしようと水を飲む。

 下腹部に違和感を覚えたが、まあ大丈夫だろうとこのときは高をくくっていた。


 しばらくして、少女はその場から動けなくなるほどの強い尿意を感じた。


 少女「うぅ~っ、お水飲みすぎたかな……」


 しゃがんでいるので、余計にしたさが増して困っていた。

 するとそこに、一匹のちいさな動物があらわれてこういった。


 動物「ねぇあなた、お水持ってない? のど渇いちゃって……」

 少女「えっ、お水?」

 動物「うん、お水。持ってるでしょ?」

 少女「もってるけど、いまはそれどころじゃないっていうか……」


 目をそらしがちにしながら、少女は言った。

 もじもじすることも次第に抑えられなくなって、恥ずかしくなってきた。


 動物「ん? どうしたの?」

 少女「えっ? ううん、なんでもないよっ」


 むずむずっとした顔になって、とうとう隠しきれなくなった。


 動物「わかった、おしっこだね?」

 少女「ちがう、よ?」


 おまたをおさえる仕草までして、その言葉は通用しないだろう。


 動物「じゃぁもうそれでいいから、早く飲ませて!」

 少女「ひゃうんっ、そんなところに口つけないで~!」


 しりもちをついた少女はついに我慢できなくなって、身体を縮こまらせた。


 少女「やだっ、でるっ、おねがい、はなれて……あぁっ、もうだめ~!」


 しゅぅーっ、と音を立てながら、少女は元気いっぱい下着におしっこした。


 少女「あぁん、のまないでよ~っ、おいしくないんだから~!」

 動物「やっと飲めた……このまま死んじゃうかと思ったよ……」


 のんじゃだめ、というわりには、勢いは一向に衰える気配はなかった。

 その動物も限界だったんだろうけれど、少女だって限界だったはずだ。


 身体がぞくぞくっとして、しばらくはそこを動くことができなかった。

 満足した顔で、動物は少女にお礼を言った。


 動物「ありがとう。きみは命の恩人だ」

 少女「ふぇーん、よろこんでいいのかどうかわかんないよぉ……」


 ふにゃふにゃしたまま、少女は旅のつづきをひそやかに始めるのだった――


 ♦


 ここで話は終わっている。冷静に見るととんだ変態行為にも見えなくはないが、

 緊急時なら仕方がない、のか……? 激しく意見が分かれるところだ。

 さて、皆さんはどう思うだろうか。

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